BLOG

ダナン通信2017年5月号

フエ都城
フエはベトナム最後の王朝の都が置かれた町です。ダナンから北へ約100kmのフエまで車で2時間ほどです。車で行く場合、ハイバントンネルを通らなければなりません。このトンネルは日本のODAで建設された東南アジア最長のトンネルです。
フエがベトナムの都として栄えたのは1802年から1945年までの143年間(グエン王朝時代)で、日本の江戸時代後半から昭和時代に当たります。最後の王朝だったために、写真のように城塞が残っています。19 世紀後半から20世紀半ばまで、ベトナムはフランスに植民地支配されていましたが、その間もフランスはグエン王朝を滅ぼさずにフエに残し、傀儡政権として利用しました。

フエ都城は1804年に着工し、1833年に147件の工事が完成しました。フエ都城の面積は約520ヘクタール、頑丈な城壁に囲まれ、その周囲には10キロメートルにわたる外堀が掘られました。城内には、都の住民が住んでいました。更に、都城内には王宮があり、ここに皇族が居住して治世が行われていました。
王宮には4つの門があり、正門は南に位置して「午門」と呼ばれます。午門は1834年に建てられ、「午の方向(南)に向かう門」という意味で、都城の4門の中で一番大きな門です。南は王侯の方向だそうです。

王宮の中心には重要な宮廷行事が行われた建物の太和殿があります。王宮も2.5キロメートルにわたる城壁と外堀に囲まれています。

1968年のベトナム戦争中のテト攻勢で、解放戦線がここに突入して、城内が激しい戦場となったため、城内の文化財のほとんどが破壊されてしまいました。
王朝時代から残っているものは、午門ほか一部の建物だけで、あとは修復されたものです。大半の建物は破壊されたままで、今は荒れ地となっています。

なお、フエ都城は帝廟などとともに、1993年ユネスコの世界文化遺産に登録されました。夜にライトアップされます。神秘的でとてもきれいです。フエに来られたら、ぜひフエ都城を訪問してください。歴史を肌で感じることができるでしょう。

関連記事

ページ上部へ戻る