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2010年8月のベトナム動向

★2010年8月

A-7月はじめのベトナム政府の定例閣議で、今年上半期の経済実績が明らかになったそうですね。

B-今年6月までの上半6ヶ月のGDP成長率は、6.16%に達したことが計画投資省から報告されました。3月までの第1四半期の成長率がl5.9%だったのを考えると、農、工、サービスの3部門とも第2四半期の実績は好調だったのですね。
 このほか、外国直接投資の実施率も前進していますし、輸出も若干好転して入超幅はやや縮小したようです。

A-それでは言うことなしの好調ということになりますね。

B-いや、入超が縮小したといっても、まだ輸出高の20.9%にもなりますし、ズン首相の見方では、当面は入超を如何にして輸出の20%以下に減らすか、高いままの銀行金利を如何に引き下げるか、心細い電力供給を如何に安定させるかというのが大問題ということです。インフレの抑制問題でも、4月以降の消費者物価指数はまず安定していますが、昨年同期と比較すれば高止まりしたままということですからね。

A-それで、下半期の予測ということではどうなんでしょう。今年はぜひとも以前のような高成長を実現したいというのが、年頭に当たってのズン首相の希望だったと記憶しています。

B-計画投資省の推測では、内外情勢に大きな変化がない限り、第3四半期の成長率が6.6-7%、第4四半期が7.1-7.5%の成長を見せて、年間の成長率は、6.5から6.8%の伸びが期待されるということです。もっとも先ほど申し上げたようなしんどい実態も抱えていますので、ズン首相もこれを実現するにはよほど腹を括らなければならないと檄を飛ばしています。

A-先の国会では南北高速鉄道をめぐって熱い論戦がありましたが、この問題は当面どうなるのでしょうね。

B-やはり国会で否決というのは重いですから、政府としてはよほど基礎から準備しないと簡単に再提案ということにはならないとみられます。その点で、今年秋から来年にかけての次の5ヵ年計画発表がひとつのメドになるでしょう。それにしても、お膝元の造船公団で乱脈経営が発覚するなど、政府部内でも問題が起きている時ですから。

A-日本側も短期的な結論を急がず、ベトナムの国情を十分理解して、あまり売り込みで騒がないことですね。

B-その点で、次期5ヵ年計画の内容には非常に関心があるのです。次の10年にどんな国造りをするのか。2020年をめざして、壮大な展望を示してくれるのではないでしょうか。

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