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12.102020
2020年12月 活動報告
▼ 2020年 12月 活動報告 -理事長 森正暁 -
今年は、11月に入っても暖かい日が続き、季節外れの夏日になった日もありました。新型コロナウイルス感染症は、感染拡大の第三波が到来し、収束の見込みが全く立たない状況が続いています。会員各位の安全をお祈りいたしております。
最近のベトナムのニュースに「ベトナム政府、フェイスブック閉鎖も。検閲強化なければ」という記事がありましたのでご紹介します。
[ハノイ 19日 ロイター]
ベトナム政府は、交流サイト最大手の米フェイスブックが国内各地の政治的コンテンツの検閲を強化しない場合、サービスを閉鎖すると警告したことが分かった。
フェイスブック幹部がロイター通信に明らかにしたところによれば、フェイスブックは4月に政府の要請に応じ、現地ユーザー向けの反国家的な投稿の検閲を大幅に強化したが、ベトナム政府は8月に再び同社に批判的な投稿の規制を強化するよう要請した。
また、当幹部は「我々は4月に合意した。フェイスブックはその合意を守ってきたし、ベトナム政府が同じことをすると期待していた」と述べ、ベトナム政府の警告は、フェイスブックを完全に閉鎖することも含む内容であることを明らかにした。
ベトナムはフェイスブックにとって主要な市場で、ベトナムでの売上は10億ドルに迫るとみられる。ベトナムでは、大規模な経済改革が行われ、社会変革に寛容になっているにもかかわらず、ベトナム共産党は、メディアを厳しく規制しており、反対意見をほとんど認めていない。
ロイター通信の問い合わせに対し、ベトナム外務省は「フェイスブックは現地の法律を遵守し、ベトナムの伝統的な習慣に逆らい、国家の利益を侵害する情報の拡散を止めるべきだ」と述べた。
一方で、フェイスブック報道官は、ここ数カ月間でコンテンツの閲覧を強化する政府からの圧力が高まっているものの、「人々が自己表現を続けることができるように、サービス継続に向けて出来る限りのことをする」と表明した。
フェイスブックは、ベトナムにおいて、電子商取引と反政府意見の表現の場を提供しており、その利用者は約6千万人に上る。常に政府の監視下に置かれているとみられ、人権団体から同社が政府の検閲要請に応じ過ぎているとして、長らく批判を浴びている。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」の地域副ディレクター、Ming Yu Hah氏は、「フェイスブックは世界のどこで事業を展開していても、人権を尊重する明確な責任を負っており、ベトナムも例外でない。しかしながら、同社はベトナムでの利益を優先しており、人権を尊重できていない」と指摘した。
ベトナムの都市部では、Wi-Fiが充実し、若い世代を中心にスマートフォンを利用した情報収集が当たり前になってきています。従前より、政府方針に反する動きが出た場合には、政府による規制が行われています。フェイスブックへの規制もその一つであり、人権尊重の観点からも、ベトナム政府の今後の動向が注目されます。
今年も1か月を残すばかりとなりました。会員皆様から頂きました、変わらぬご協力にあらためて御礼申し上げます。来る年が会員の皆様にとりまして良き年になりますよう、ご祈念申し上げます。