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2023年2月 活動報告

▼ 2023年 2月 活動報告 -理事長 森正暁 -

2023年を迎え、ベトナムは経済目標の達成に向けて、活動を開始しておりますが、依然として新型コロナに係る問題のみならず、政治課題も山積しています。年明け早々の1月17日、グエン・スアン・フック国家主席は、共産党の会議で国家主席を辞任する意向を示し、承認されました。

 フック氏の任期は本来2026年までで、国家主席の任期途中での交代は異例です。フック氏の在任中、新型コロナ感染に絡む不正疑惑が多数発覚し、首相時代からフック氏を支えてきた2人の前副首相が、今月初めに解任されたほか、新型コロナ感染対策を進めてきた前保健相が昨年6月に逮捕されました。国営ベトナム通信は、「多くの関係者が違法行為に手を染めて深刻な結果を招いており、フック氏は指導者としての政治的な責任を取った」と指摘しており、事実上の引責辞任と言えます。

ベトナム国会は、昨年11月12日、2022年の主要な社会・経済目標の15項目を定めた「2022年社会・経済発展計画」の決議を採択しました。GDP成長率の目標を約6~6.5%、消費者物価指数(CPI)上昇率の目標を約4%に設定しました。
2022年の主要な社会・経済発展目標15項目は次のとおりです。

1. GDP成長率 約6~6.5%(2021年約6%)
2. 1人当たりGDP 3,900ドル(同3,700ドル)
3. GDPに占める製造業の割合 約25.5~25.8%(項目なし)
4. CPI上昇率 約4%(同約4%)
5. 労働生産性上昇率 約5.5%(同約4.8%)
6. 農業就業者割合 27.5%(項目なし)
7. 訓練を受けた労働者割合 67%(同約66%)。そのうち、訓練を受けた資格・修了証を有する労働者 約27~27.5%(同約25.5%)
8. 都市部失業率 4%未満(項目なし)
9. 貧困率 1~1.5ポイント減(同1~1.5ポイント減)
10. 1万人当たり医師数 9.4人(項目なし)
11. 1万人当たり病床数 29.5床(項目なし)
12. 健康保険加入率 92%(同約91%)
13. 新農村基準を満たす村の割合は73%(項目なし)
14. 都市部の固形廃棄物収集・処理の割合 89%(同87%)
15. 環境標準を満たす集中型排水処理システムが整備された工業団地・輸出加工区の割合 91%(同約91%)

2022年の目標では、GDPに占める製造業の割合、1万人当たりの医師や病床の数などの項目が新たに加えられました。これらは、2021年2月公表の「2021~2025年の主要な社会・経済発展の指標」で示された工業化、医療体制の整備にかかる指標を踏まえたものとなっています
複数の現地メディアの報道によると、GDP成長率約6~6.5%の目標について、決議前には一部の国会議員から「新型コロナウイルス感染を抑え込みながらの目標達成は難しく、5~5.5%程度にすべきだ」との声が上がったものの、国会常務委員会は、2021年の低成長や国内外の情勢、5カ年社会・経済発展計画を踏まえ、6~6.5%成長の目標を設定したと説明。同時に、感染収束後の経済回復に向けた政府の決意を表す目標になっており、達成するためには、政府としても積極的な取り組みが必要だと指摘しています。

全世界的なコロナ禍の影響をベトナムも受ける中での目標、計画ですが達成の可能性は大きいと思われます。
なお、在大阪総領事館でも総領事の交代がありました。

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