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2024年3月 活動報告

▼ 2024年 3月 活動報告 -理事長 森正暁 -

まだ冬にもかかわらず、早くも春の気配も感じさせる今年の2月でした。

さて、技能実習生の受け入れを検討している企業においては、失踪や犯罪などのさまざまな問題が報道される中、受け入れに及び腰にならざるをえない状況だと推察します。実際、昨年検挙された技能実習生は、統計のある2012年以降、過去最多となりました。

しかし、技能実習生が法を犯す背景には、それぞれ事情があり、十把一からげに「問題」と捉えることはできません。技能実習生が問題を起こす背景には、制度が抱える矛盾や、受け入れ企業側の人権意識が関わっていることもあると考えています。
そのため、トラブルを防ぐためには、建設的な視点で技能実習制度の問題点を見極め、適切に制度を運用する必要があると考えます。この問題について、日本のメディアも大きく取り上げています。
以下、読売新聞オンラインの記事とJETROビジネス短信を紹介します。 

技能実習廃止 外国人の就労環境を改善せよ

今回、外国人材を受け入れる制度を大きく改めることになる。国際的に人材獲得競争が激しくなる中、外国人の就労環境を改善し、「選ばれる日本」にしていくことが大切だ。
政府は、技能実習制度に代わる新たな仕組みとして、3年間の就労を認める「育成就労制度」を創設することを決めた。今国会での法改正を目指し、受け入れ態勢を整えたうえで導入する方針だ。
 約30年前に始まった技能実習制度は、日本で習得した技術を帰国後に生かしてもらうという「国際貢献」を目的に掲げてきたが、実際は労働力を確保するための手段となってきた。労働者の権利を守る仕組みも不十分で、長時間労働や賃金の不払いなどの問題が相次いだ。実習生の失踪も後を絶たなかった。

 新たに設ける育成就労は、「人材の確保と育成」を掲げ、人手不足を補う目的を明確にした。技能の有無を問わずに外国人を労働力として受け入れるという点で、大きな政策転換と言える。
新制度では、1~2年間働けば、同じ業種での転職を認める。技能実習では、本人の希望による転職は原則禁じられていた。自由に職場を選べず、厳しい環境から逃れられないことは、失踪の大きな要因となっていた。外国人が自らの意思で、勤務先などを選べるようにするのは当然だ。転職を制限する期間を巡り、政府は1年とする方針だったが、自民党から「地方から都市へ人材が移ってしまう」といった声が出たため、2年まで幅を持たせた。雇い主が転職を認めない場合、昇給などの待遇改善を図るべきだ。

新制度はまた、高度な技能を持つ人に認めている在留資格「特定技能」に繋 がる仕組みとする。
育成就労で受け入れる分野を、特定技能と同じ建設業、農業、宿泊業などに合わせる。試験に合格すれば特定技能に移行し、より長く働くことができる。日本の生産年齢人口は先細りしており、今後も深刻な人手不足が見込まれている。有為な人材を確保するには、これまでのように外国人を安価な労働力とみなす発想は改めねばならない。

 技能実習制度では、外国人が送り出し機関に多額の手数料を支払い、借金を背負って来日する事例が多かった。受け入れ企業を監督すべき国内の監理団体が機能していないとの指摘もあった。
新たな制度を作るだけでなく、こうした問題を一つ一つ解決していくことが重要だ。
(読売新聞オンライン 2024/02/10)

2022年の海外労働者派遣、日本向けが最多で約7万人

ベトナム労働・傷病兵・社会問題省傘下の海外労働管理局によると、2022年のベトナムから海外への労働者派遣総数は14万2,779人だった。前年(4万5,058人)の3倍以上に増加し、年間目標(9万人)の1.5倍以上となった。国・地域別では、日本が6万7,295人で、最大の派遣先となった(添付資料表参照)。次いで、台湾が5万8,598人と多く、この上位2カ国・地域で9割弱を占めた。3位以下は、韓国、シンガポール、中国、ハンガリー、ルーマニア、ポーランド、ロシア、マレーシアが続いた。

日本への労働者派遣数は、新型コロナウイルス感染対策の入国制限によって2020年と2021年は落ち込んだが、その反動もあり、2022年は前年と比べて約3.5倍に増加した。 ただし、日本への派遣数は今後、減速するとの懸念もある。台湾への派遣も伸びているのに加え、その他の派遣先の選択肢も増えている。
例えば、ベトナムは韓国と労働者派遣受け入れの増加に関して協議を進めているほか、オーストラリアへは農業に従事する労働者を毎年1,000人ほど派遣することが決まっている。同様に、イスラエル、タイ、ハンガリー、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などとも、労働協力に関する覚書の締結などを進めている状況だ。また、円安の進行が、日本への労働者派遣の足かせになっているとの声も聞かれる。

日本国内の産業も支えるベトナム人

日本国内で働くベトナム人は直近の10年間で、10倍以上に増えている。日本の厚生労働省によると、2022年10月末時点の外国人労働者は182万2,725人だが、そのうち国籍別ではベトナム人が46万2,384人で最も多い。
ベトナム人は製造業(17万1,142人)を中心に、建設業(5万4,099人)、卸売・小売業(5万1,422人)、宿泊・飲食・サービス業(5万1,262人)など、日本の幅広い産業を支えている。在留資格別にみると、ベトナム人は技能実習(18万3,011人)が最も多く、専門的・技術的分野の在留資格(11万9,449人)、資格外活動(10万8,378人、注)、特定活動(3万3,166人)となる。
(注)有している在留資格とは異なる収入活動を、許可を得て行う場合。留学生のアルバイトなども該当する。
(JETROビジネス短信 2023/03/01)

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