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2011年 1月のベトナム動向

★2011年 1月

A-おめでとう御座います。この欄では昨年12月の動きを追うことになりますが、ひと月の動きは如何でしたか。

B-おめでとう御座います。とはいうものの、このひと月の間、ベトナム政府としては物価問題に振り回され、あまりおめでたい心境ではなかったのではないかと推察します。

A-昨年11月の消費者物価指数が前月比1.86%アップという大きな上昇を示し、昨年初めからの上昇率が9.85%に至ったというニュースは聞きましたが・・。

B-グエン・タン・ズン首相も昨年12月初めの閣議で、年末までとテト前の期間に物価を安定させなければと、強く指示しましたが、それにしても何が原因でこんな事態になったのかがもう一つはっきりしないのですね。工業生産も輸出も決して悪い状態ではないのですが、ただドル価、金価格が飛びぬけて急騰しています。特定の商品に異常な動きが出たというよりは、通貨市場、通貨政策問題が根っこにあるような気がします。

A-通貨問題が背景にあるとすれば、国内の対策だけではカバーしかねるだけに厄介ですね。

B-首相も閣議で世界的な通貨の現状が国内経済に不利な影響を及ぼしていると語っていますが、まずは国内の重要物資の需給安定に励むほかはありません。

A-その面では割合早くから取り組まれていましたね。

B-きっかけはどうやら造船総公社(ビナシン)の経営破たんにありそうで、ビナシンが独自に導入していた外国債務の清算に政府が乗り出そうにも外貨不足で動きが取れない状況がありました。それが国際的に明らかにされたので、一度に政府保有の外貨予備にも不安が及んだような気がします。

A-12月に開かれたベトナム支援国会議でも、問題になったそうですね。

B-会議に参加した代表は、ビナシンのような事態の再発防止を強く求め、国営企業経営の透明性を強めるべきだという声が相次ぎました。また、依然として続く汚職問題も、参加国代表の関心を引いていました。

A-ところで、ベトナム共産党の第11回党大会がいよいよ間近かに迫りました。

B-昨年末の12月13日には第14回中央委員会総会が開かれました。この会議では、主な目的は大会で選出される新しい中央委員の選考が話し合われたと見られます。1月12日からの党大会で新しい中央委員が選出され、これに続いて総選挙、新しい国会代表の選出となり、さらに新しい政府閣僚が決まるまで、今年はなかなか忙しい年になりますね。

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