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10.12007
2007年10月のベトナム動向
★2007年10月
A-8月はじめに新政府機構が発足して以来、グエン・タン・ズン首相の外交活動はものすごいものがありました。
B-8月前年にはASEAN5ヵ国を歴訪し、月末には残っていたマレイシアを訪問。9月に入ってからは、ロシア、チェコ、パーランドを訪問して、それぞれ経済協力の展望を固めました。さらに、開催が近い国連総会にも出席の予定です。
A-ASEAN諸国の中で残っているのは、タイと隣国のラオス、カンボジアですが、隣国の2国は平生から綿密な交流があるので、実質的にはタイだけですね。
B-この国はご承知のように、まだ政情が不安定で、訪問受入れの態勢が取れないのでしょう。それより国連総会への出席は、ベトナムが安保理事会非常任理事国への選出と結びつくかもしれません。また、ロシア訪問の中でプーチン大統領と会談したことは、この国との経済協力の絆がまた強くなることを意味するようです。
A-エネルギギッシュな外交活動の一方で、国内的には目立った動きがありますか。
B-もうこの月の22日には第2回国会が始まり、政府は今年の実績報告とともに来年度の施府方針を明らかにしなければなりません。具体的には、来年の経済成長目標をどのように設定するかということですが、それが今、注目の的です。
A-もう閣議などで具体的に数値も出されたのでしょう。
B-ズン首相は9月はじめの臨時閣議僚会議で、来年の成長率目標は9%あまりとすることを決めました。今年に種播いた経済発展の条件つくりが、来年には実を結ぶだろうというのです。
A-それは驚きです。今年上半期の成長実績は7.9%で、年間8.5%という目標の達成自体が危ぶまれていました。
B-細かく発表されていないのですが、今年下半期に入ってからの実績がよほど好調なのでしょう。10月下旬の国会への政府報告の中身を開くのが楽しみになってきました。
A-国内では物価上昇が大きな問題になっていましたね。
B-今年8ヶ月間の物価指数上昇は6.7%強になりました。日本でも食品関係の商品値上げが目立っていますが、世界的な傾向としての食糧逼迫がベトナムでも消費者物価を押し上げているようです。政府の各機関も懸命の努力を重ねていますが、目立った効果はまだ見えません。
A-もう一つの難問=交通災害対策は如何でしょう。
B-9月は交通安全月間に定められ、全国で違反の取り締まり、罰則強化が進められていますが、まだバイクのヘルメット着用も徹底していないようですね。