BLOG

2022年7月 活動報告

▼ 2022年 7月 活動報告 -理事長 森正暁 -

今年は、統計史上最も早い梅雨明けとなり、早くも夏真っ盛りとなっています。コロナ感染も収束した状況には未だありませんが、会員の皆様には、熱中症を含め、健康に留意されますようお祈りいたします。
最近、ベトナムの技能実習生の起こす事件が社会問題になっています。当センターにおいても、労働環境・労働条件の改善のために、セミナーを開催するなど啓蒙活動を行っており、今後も実習生の待遇改善などに尽力してまいりたいと思っております。
失踪の背景とその解決方法について、実習生受入団体「株式会社リンクジャパンキャリア」のウエブサイトの記事の抜粋をご紹介します。


技能実習制度は単なる労働力を確保するための手段ではなく、技術移転のための国際協力が本来の目的です。しかしながら、実際は技術移転の名目で、労働力として雇用されてきた彼らを取り巻く環境では、「技能実習生の失踪」という大きな課題も抱えています。技能実習生が失踪すると、受け入れ企業はペナルティを抱えることになり、最悪の場合は、技能実習生の受け入れ停止措置が下ることもあります。
2021年1月1日時点では、82,868名の外国人不法滞在者が日本に存在しています。推移をみると、2004年、当時の石原都知事下で始まった「不法滞在者5年半減計画」をきっかけに、219,418人いた不法滞在者は、2014年には59,061人へと、約27%まで減少しました。

しかしそこから再び増加に転じ、2021年は対前年比5.2%増となっています。そのうち「技能実習」の不法残留者数は、1万3,079人(2位)で15.8%を占めます。技能実習生の失踪は、国としても大きな問題点であることが分かります。
失踪の原因は、大きく分けて3つあると考えられます。

① 技能実習生への制度周知不足、本人の制度理解不足
② 実習期間終了後も日本に残りたいため
③ 就業企業の劣悪な労働環境、マネジメント力不足

技能実習生を受け入れる企業は、人手不足の解消を目的として受け入れるケースも少なくありません。技能実習生を受け入れるにあたり、企業は多くの法律・制度を理解した上で(技能実習法、労働基準法など)、業務管理体制を整備することが求められます。
技能実習生の多くは、「お金を稼ぐ」ことも目的として来日しています。貧しい地域から来日するために、借金をして一世一代を賭けている人もいます。「契約書と業務や賃金規定が違う」「最低賃金以下で働かされる」など、労働賃金に対する不満が募ると、より高い賃金がもらえる環境に変えるために、失踪することがあります。
2017年1月から2018年9月にかけて、法務省の「技能実習制度の運用に関するプロジェクトチーム」が、失踪者が出た実習実施機関に対して調査を行いました。1,555の機関(失踪者2,025人)に実地調査が行われ、662の機関(失踪延べ人数937人分)で、以下の不正行為が明らかになりました。

以上の状況の中で本来の目的を実現するためには、

① 実習制度の理解を深め、技能実習3号、特定技能制度の活用を促す。技能実習1号2号を終了し、技能検定等に合格し、一定の条件を満たせば、技能実習3号として2年間の技能実習を追加で行うことが出来ます。また、2019年4月より、在留資格「特定技能」が新設され、技能実習2号を修了した技能実習生は、特定技能1号への移行が可能になり、在留期間をさらに5年延ばすことができます。したがって、技能実習1号、2号、3号を終了し、特定技能に移行すれば、10年間、日本に滞在することが可能となります。

② 職場の労働環境の見直し、外国人材管理のノウハウを見直すために、外国籍人材のキャリアプランについて話し合う機会を持ち、本人の意向を確認し、企業が技能実習生のキャリアに寄り添い、スキルアップをサポートする。

関連記事

ページ上部へ戻る