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2023年11月 活動報告

▼ 2023年 11月 活動報告 -理事長 森正暁 -

今年は「酷暑」といえる夏でしたが、ようやく秋の気配も濃くなる時節となりました。

さて、ベトナムにも、人材育成のための機関が複数ありますが、そのうちの一つに、「ベトナム外交学院 (Diplomatic Academy of Vietnam)」があります。
当外交学院は、政府機関や国際機関で外交・国際関係に携わる人材の育成を目的とする、ベトナム外務省直属の高等教育機関であり、2022年9 月には、日本学科を含む太平洋学部(Pacific Studies)が開講されています。

2023年10月5日、外交学院において、国際協力機構(JICA)の講演会が開催されましたので、その概要をお伝えします。なお当講演には、同学院の日本学科および国際経済学科の学生約300 名が参加しました。


~日越パートナーシップとJICA の協力~

冒頭、ベトナム外交学院のダン・ホアン・リン国際経済学部長兼教務部副部長より、本講演が同学院の学生が日越関係をより深く理解し、日本への関心を高めてくれることを期待する、と述べました。

講演では、JICAベトナム事務所久保良友次長より、①日本は他国に先駆け 1992年に対越ODA を再開し、これまで累計総額3兆円規模の協力が行われたこと、②この規模は他国と比較してベトナムにおいて最大であるとともに、 JICA の途上国への協力としてもトップクラスであること、③ベトナムが中国、ラオス、カンボジアに接する東西経済回廊、南部経済回廊の東の玄関口であり、自由で開かれたインド太平洋構想においての要所であること、④日本の製造業のサプライチェーンの多元化を支える国として、日本がベトナムを重要視していることの現れであること、と述べました

さらに、JICAについて、これまで有償・無償の資金協力、技術協力など、様々なスキームを複合的に組み合わせた協力を実施し、近年は、日本の民間企業や地方自治体、大学などの持つ知見やノウハウ、技術の活用や、グローバル企業などへの投融資を通じた協力など、様々なアクターとのパートナーシップによって、ベトナムの課題解決に取り組んでいることなどが紹介 されました。

また、JICA は、2020年に日本の近代化と開発途上国への開発協力から得た経験と教訓を学ぶ機会を海外にも広げることを目的とし、途上国のトップクラスの大学などを対象にした「JICA チェア」を立ち上げ、ベトナムにおいても、2021 年から事業を開始しています。当講演も、「JICAチェア」の一環として行われており、これまでも当学院との協力では、昨年、鶴岡元駐英大使が日本の戦後外交の軌跡と展開に関する講義を行ったほか、日本研究に係る図書を寄贈しています。

JICAは、今後、ベトナムが2045年の高所得国を目指しさらに発展していくために、対等なパートナーとして協力し合い、ともに成長・発展していくことをめざすとしています。

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