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2016年10月のベトナムの動向

★2016年10月

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9 月はベトナム政府にとって外交の月と言えるほど重要な国際会議が続きましたが、冒頭から誰もが驚く外交行事がありましたね。

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9 月の2 日、3 日とインドのナレンドラ・モディ首相がハノイを訪れ、グエン・スアン・フック首相と会談を重ねた後、ベトナム・インド両国の外交関係を昇格させて、ロシア、中国に続く「包括的戦略パートナーシップ」とすることが明らかにされました。

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これは両国間の貿易、投資の拡大を目指すだけでなく、防衛分野の問題についても変化があったということですね。

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インドからの防衛分野の借款供与に加えて、南シナ海問題についても両国が同一歩調をとり、ベトナムが主張するこの海域の国際法に基づく問題解決が共同声明に明記されています。

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そのくせ、ベトナムは続いて中国で開かれたG20、ラオスのビエンチャンで開かれたASEAN-中国の会議でも、他のASEAN 諸国から浮き上がることなく、列国と変わらない主張に終始しました。

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ビエンチャン会議だけではありません。そのあとフック首相は中国を公式訪問し,習中国主席とも会談したのですが、ここでもあまり中国の意向と食い違いの無い態度でした。中国としてはベトナムの外交方針に難癖をつけるわけには行きません。

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ベトナムのお家芸ともいえる巧みな外交が目についた月でしたが、その他変わった動きはありましたか。

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国内的には第1 四半期以来のゆったりした経済運営が続いており、貿易収支では20 億ドルほどの黒字が出たとか、小売サービス売上高が着実に伸びているなどのニュースはありますが、中部高原の灌漑用水不足で、コーヒーの収穫が大きく落ちるだろうという悩みは解消されていないようですね。決して問題は小さくないと言えると思います。

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9 月で今年の第3 四半期が終わり、10 月には秋の国会が始まって、来年度の經濟-社会発展計画案を国会に提出しなければなりません。

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その通りです。10 月20 日の国会開会日に出される政府報告の中に、どんな現状把握が示されるかというのが関心の的になっています。

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