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2015年12月のベトナムの動向

★2015年12月

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10月20日から第13期第10回ベトナム国会が開催されました。今度の国会の特徴はどこにありますか。

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それは何と言っても、新しい次期5か年計画の確立にあると言えるでしょう。5年間の情勢を見通し、5年後にはどんなベトナムの姿になるかを描き切るという大事業です。

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開会冒頭の本会議で、グエン・タン・ズン首相が行った政府報告では、過去5年の総括と共に、具体的な目標、指標も打ち出しましたね。

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報告では来年度と新5か年計画の指標を同時に提起していますが、GDP成長率は来年が6.7%、5年間の平均は6.5-7%、1人あたりのGDPは5年後に3,750ドル、消費者物価上昇率は5%以下、都市部の失業率は4%以下、貧困世帯縮小率はⅠ-1.5%、浄水普及率は95%などが主なところですね。ただし、5か年計画全体としては、新年の共産党大会の決議を待っているのか、国会としては2016年度目標だけが採択されました。

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ズン首相の報告では、過去5年間の総括は相当厳しい判定だったように聞きました。

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不景気とインフレを潜り抜けての今年の実績ですから決して悪くはないのですが、判定としてはなかなか厳しく、各分野にわたって計画構想力、管理能力の低さを指摘し、特に社会主義を目指す市場経済ということがハッキリ解っていない、こんなことでは2020年までに工業国入りする基礎を築くことは難しいと言い切っています。 

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かなり手厳しいですね。それでは計画から離れて、ひと月の動きをまとめてみるとどうなりますか。

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目立つのは外交面での動きですね。首脳陣の外交努力はともかく、先月下旬にはASEAN首脳会議やASEAN共同体発足等が目につきますが、ベトナムとしては南シナ海の平穏化に努力したものの、洋上紛争の解決方法や中国との関係を全体としては明確にできずに終わったということになりましょう。
国内の動きとしては,やはりまだ農業面の立ち遅れ、特に干害の影響を十分克復し切れていないようです。この問題は輸出活動にも関係してきますので、今後の努力が必要になるでしょう。

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