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2011年 3月のベトナム動向

★2011年 3月

A-2月の始めの話になりますが、今年のテト(旧正月)の模様はいかがだったのでしょうか。

B-何といっても年に一度のお正月のことですから、もちろん賑やかだったことは当然ですが、昨年はいささか羽目を外したような傾向があったのに比べて今年は穏やかな盛り上がりとでも言ったところでしょうね。その前月は買い物も旺盛で、商工省などでは昨年の20%以上の購買意欲が見られたといっています。

A-最近は消費需要も強まり、海外旅行も定着したようですね。

B-近隣のタイ、シンガポール、香港などへの小旅行は昨年以上で、ベトナム航空の増発も功を奏したと見られるほどでした。しかし、厳しい景気を見越して、例年のようなテト明けの就労状況の衰えはなく、出勤率は上々だったとも聞いています。

A-それでは問題は何もなかったと言えるのでしょうか。

B-いや、テト前月の物価は高止まりの状況で、1月の消費者物価指数は前月比1.74%の上昇。インフレ傾向は収まってはいないようです。

A-1月は旧正月準備で、高値傾向は珍しくないのではありませんか。

B-それはそうですが、食糧、食品がそれぞれ2.3%、2.7%も上がるのは問題です。ひとつには日本でも問題になっているように、世界的な天候不順のために食糧の国際価格が暴騰し、これがベトナムにも波及したと言えますが、何といっても昨年の物価指数の上昇が11%を越えた直後ですからね。

A-1月の国会常務委員会が政府に物価上昇を抑える効果的な対策を求めたのはそのせいだったのですね。

B-政府としても、不急の公共事業の見直しや貧困層への家計補助を考えているようですが。

A-昨年後半からの物価の動きを見ると、何か構造的な原因があるような気がします。

B-国家銀行は2月に入って国内通貨ドンを9.3%切り下げると発表し、金融機関は動揺したようですが、通貨面だけから経済安定を図ろうとするのはどんなものでしょうか。3月国会を前にして、政府の立場も少々苦しくなってきましたね。

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