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2010年1月のベトナム動向

 

★2010年1月

A-明けましておめでとうございます。
   昨年1年間は、ベトナムにとって波瀾万丈の1年でしたが、年末の様子は如何だったでしょうか。

B-おめでとうございます。年末の様子をお話ししたいところですが、まだその締めくくりが終わらないうちにこの号を印刷しなければならなかったので、年間のいろいろな実績ははだ報告できません。しかし、昨年が厳しい1年だったというのはそのとおりで、11月末に第6回国会が終わってからも、一騒ぎありました。

A-どんな騒ぎだったのですか。

B-政府が打ち出した景気刺激策のひとつで、企業融資の利息を補助する政策が実行されましたが、効果が上がりすぎて信用が膨張してしまいました。これではマクロ経済は不安定になり、物価上昇も懸念されるというので、春まで続けるはずだった利息補助策を年末で打ち切る事にしたのです。基本年利も1%引き上げる事になりました。

A-それは商業銀行も驚いたでしょう。

B-しかし、よく考えればインフレを招きかねないばらまきはよくないということが次第に共通認識になり、銀行業界も早期打ち切りを歓迎するようになったということです。

A-結局、通貨引締め政策が緩和されたということですね。

B-それからもう一つ、大きな変化は公開企業での外国からの投資の結果としての所有権の上限が、現行の30%から49%にまで引き上げられたということです。

A-それは結局、外資導入の新たな制限緩和と言えそうですね。昨年は輸出と外資導入が国際不況のために進まなかったのを、そんな形で取り返そうという風に見えますね。

B-確かに輸出はついに年末まであまり伸びませんでした。伸び率がマイナスになったのは珍しいことです。最終的に外資不足に陥ることが懸念されますが、ここで2009財政年度のODAが記録的な増額になったことが重要です。

A-昨年12月のベトナム支援国会議が注目されていましたが、どれほど増額されたのですか。

B-前年度の援助総額は合計50億ドルというところだったのですが、今回は合計80億ドルという記録的な数字になりました。もっとも、対外債務があまり増えすぎることへの懸念も出ていますが。

A-反面、増額はベトナムの成長に対する諸外国の信頼感の表れでもあると言えますね。ベトナム政府としても、今はあらゆる手を尽くして国土建設を進めなければならない時期でもあります。

B-確かにそのように見ることもできます。ただし、新年度もベトナム政府は難しい経済成長の舵取りを迫られますね。

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