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2010年6月のベトナム動向

★2010年6月

A-5月20日に第12期第7回ベトナム国会が始まりました。開会本会議はどんな様子だったでしょう。

B-グエン・フー・チョン議長の開幕演説に続いて、昨年5月の国会と同様、グエン・シン・フン副首相が政府報告を行いました。内容は特に目新しいものはありませんでしたが、今年第1四半期の経済実績が、GDP成長率5.83%、部門別の生産額伸び率は、工業13.6%、農業5.8%、サービス部門が6.64%と、まず好調な出足だったということです。

A-それは結構でしたが、高物価や輸出の不振については如何です。

B-確かにフン副首相も、好調なように見えながらマクロ経済の安定度はもうひとつ着実なものではないと述べ、特に輸出推進や消費者物価の抑制は最重要課題だと語っています。ただ、これらに関連して、4月の経済実績には思いがけない変化が生じました。一つは輸出がやや伸びて前年同月比で33%増加したこと。もう一つは消費者物価指数が前月比0.14%アップで、今年最低を記録したことです。

A-それが本当に持続すれば、何とも結構な話ですが、原因はどうなんでしょう。

B-輸出の伸びは大きくはなく、輸入のほうがはるかに増加していますので、貿易赤字は相変わらず深刻です。赤字は輸出額の23%強という高水準にあります。

A-20%を切れというのがズン首相の意見だったのですが、よほど輸出が伸び、輸入が抑制されないと、20%以下という線は難しいでしょうね。

B-もう一つの物価指数の方も、4月にガクンと下がった理由は判然としません。政府が業界査察をしたり、かなり厳しい市場モニターをしているのがどれほど物価安定に寄与したかというのは、公式の評価がまだ明らかにされていないのです。

A-国会質疑の中でその辺も明らかにされると思います。そのほか、日本の新幹線方式導入が伝えられた南北高速鉄道計画は、国会審議に入るのでしょうか。

B-チョン国会議長は開幕演説の中で、この計画審議が今国会の目玉の一つだと明言しましたから、論議は確かだと思いますが、何しろ必要資金が560億ドルと膨大なだけに、結論が出るまでにはかなり時間がかかるのではないかと思いますね。

A-ところでメコン川の水位低下と旱害が心配されましたが、お天気の見込みはいかがでしょう。

B-うれしいことに今年の雨季が5月中に始まるという予報です。メコンデルタの農家は例年通りの雨を渇望していましたからね。もう一つ、メコンデルタの明るい話題はカントー市とビンロン省を結ぶカントー橋が4月24日に開通しました。住民の長年の夢がかなったということですね。

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