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2010年12月のベトナム動向

★2010年12月

A-11月も月末近くの27日に、第8回国会が終わりました。今度の会期では、どんな審議が行われたのでしょうか。

B-例年の秋の国会と同様に、来年度の経済―社会発展計画を論議の上、来年度の経済成長目標のほか、その他の経済関係、社会関係、環境関係の目標を設定し、その実現のための方針を論議、決定したと言うことです。

A-来年2011年は次期5ヵ年計画の初年度となるはずですが、これについては別段言及がなかったのですか。

B-来年1月のベトナム共産党の大会で10年戦略など長期計画が決定されるまでは、例年と同様の形をとっていますが、もちろん仰る通りで、5ヵ年計画初年度ということは十分意識されています。計画目標も、先に発表された10年戦略とつながるものとなっています。来年の成長目標が7-7.5%となっているのをはじめ、その他の目標も同様です。計画の審議は特に問題がなく、会期末を待たずに11月8日に可決されました。

A-そうすると、今度の会期はたいへん穏やかに何の問題もなく終わったような印象を受けます。

B-いやなかなか。会期前から問題になっていた造船グループ(ビナシン)の管理責任、10月も急騰した物価問題をはじめ政府追求の質問が殺到しました。

A-それほど厳しかったのですか。

B-ビナシンの乱脈経営をなぜ見過ごしたのか。10月の物価指数をみると、物価抑制目標は問題外となったのではないか。いつになっても電力不足が解決しないのはなぜか等々。担当閣僚はそれなりに質問に答えたのですが、それでは収まらないので、24日には首相自ら総括的な答弁を行い、責任を認めてやっと収まりを着けたというところです。

A-確かに10月の物価指数が9月同様に前月比1%を越えたのには驚きました。

B-ズン首相は値上がりの原因を海外市況の上昇、中部の洪水の被害などに求めましたが、なお納得のいくものとはいえません。現在、政府機関あげて値上がり抑制の査察措置を取っています。

A-それでなくても年末までは需要が旺盛になって物価上昇の季節ですからね。

B-今年の1,2月もテト前需要で物価が跳ね上がった苦い教訓がありますから。
工商省や財務省では地方政権にまで通達を連発して、投機的な動きには厳罰を課すとしています。なにより生活必需品の確保が問題です。

A-物価指数がマイナスになることは考えられませんが、少なくとも安定を確保したいですね。

B-年末を控えて、各担当機関とも必死の努力をしているところでしょう。

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