BLOG

2009年11月のベトナム動向

 

★2009年11月

A-10月20日から第6回ベトナム国会が始まりました。会期冒頭のグエン・タン・ズン首相の政府報告は、従来とは違って厳しかったこの9ヶ月の政府活動について、ずいぶん詳細に報告したようですね。

B-今年春の国会での成長目標下方修正の後、思い切った財政出動、続けさまの大規模公共投資、かなり大胆な建設促進立法など、思い切った手を打って、年間成長率をどうにか国会決議目標以上に持って来れたわけですから、その間の経緯はじっくり説明しないわけには行きません。それにしても、よくここまで、と言うのが国会代表の実感でしょう。

A-今年はどうやら5.2%の成長まで漕ぎ着けられそうですが、来年の成長目標も提起されたのですね。

B-来年は今年を上回る6.5%の目標が設定されていますが、国内経済がかなり上向いてきたとはいえ、世界不況はまだ回復の見通しが立たない状況ですから、決して容易な目標でないことは確かです。その証拠に、今年度の国家予算赤字はGDPの7%以下に収まりそうですが、来年もある程度の財政出動を予定してか、6.5%以下という目標設定です。

A-今年の目標の中でも、海外を相手にする輸出と外資誘致の分野では目標割れの公算が大きいですからね。

B-輸出の中身を見ると、主な品目では決して輸出全体が落ちたのではないのです。国際価格が下がりっぱなしのため、量は昨年を上回り、金額が減少するという現状で、活力が失われたわけではないですね。

A-台風でかなりの被害を受けながら、農業生産は2%台の伸びを記録し、工業生産は好調、サービス部門が意外に健闘している印象です。その中で一般の生活はいかがでしょう。

B-9月段階で年初からの消費者物価指数は4.11%にとどまっています。見通しでは年間の上昇率は7%程度に終わるということで、この面でも安定していますね。それどころか自動車の購買意欲がとても高く、国内の外資系メーカーの生産が間に合わないので、輸入車が増えていると言います。

A-国内市場重視の政策はなかなかの成果を収めているということですね。あとは外貨を稼ぐ分野で、観光推進の努力も大いに強まっているということですが・・。

B-観光総局では副局長を派遣して、日本でのベトナム観光キャンペーンをお膳立てして来ました。日本側の関西空港当局の申し入れに応じて、関西=ダナン間の直行空路開設も予期されています。経済連携協定の発効以来、頼み甲斐のある日本市場に、大いに協力を要請しようということでしょうかね。

関連記事

ページ上部へ戻る