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2008年7月のベトナム動向

★2008年7月

A-6月はじめに第3回国会が終わりましたが、今度の国会はなかなか複雑な問題に取り組みましたね。

B-グエン・タン・ズン首相の国会への政府報告は、8.5―9%としていた今年の経済成長率目標を7%に引き下げることを提案しました。これは国会でも大きな論戦を呼び、主要経済閣僚は連日引き下げ理由を説明するのに懸命でした。どうにかこの提案は承認されましたが、その後もインフレは5月が4%近い上昇を示すなど、油断はできません。

-一般市民の生活はどうなのでしょう。不満が出るのも当然だと思いますが。

B-特に労働者、低収入の給料生活者が苦しいですね。労働争議も頻発していると伝えられます。日本の新聞の記事にはやや不正確な部分もありますが、ストライキが多くなっているのは事実でしょう。

-物価高騰は世界的な現象で、ベトナムだけが物価高ということはないはずですが、やはり政府当局にも不手際があったのでしょうか。

-ズン首相はそれをはっきり認めています。しかし、より深い原因はベトナム経済の弱点、本格的な自国生産ではなく加工生産にとどまって高い付加価値を得られず、主要な原材料を海外に頼っているのが、世界的物価高で足をすくわれたと言えるでしょう。

-ズン首相もインフレ抑制は来年も続く課題だといっていますが、確かに原因は根深いところにありますね。

-まだ上半期の総合的な経済実績は発表されていませんが、国内総生産はそれほど悪い成績ではなく、輸出、外資誘致などは引き続き好調を伝えられます。現段階では、一応国内的な手立ては尽くしたとして、指導部の海外諸国訪問が続いています。

-6月初めのマイン共産党書記長の中国訪問からはじまって、チェット国家主席、グエン・フー・チョン国会議長、グエン・シン・フン副首相の欧州各国訪問が続き、下旬にはズン首相の訪米がありました。

-特にマイン書記長の訪中とズン首相の訪米が注目されますね。どの国でもベトナムの当面する困難と中長期的な発展の展望がよく理解されたのではないでしょうか。

-国内のニュースでは、90年代のドイモイ初期に活躍したボー・バン・キエット元首相が亡くなりましたね。

-86歳の高齢ですから意外ではないのですが、サイゴン解放、全土統一の時期から活躍して、南部を中心に大きな人気があった人ですから、故人への告別には数千の市民が参列したと伝えられています。惜別の念が強いですね。

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