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2011年 7月のベトナム動向

★2011年 7月

A-次期国会代表の選挙も無事終了し、第1回国会を待つばかりとなりましたが、今度の選挙結果には何か特徴が見られますか。

B-特徴がないのが今度の選挙結果の特徴かも知れませんね。あえて言えば、代表の学歴がまた上昇していることぐらいでしょうか。共産党員でない代表の数も前回より1人減りましたから、総じて堅実な構成と言えるかもしれません。

A-国内情勢、特に経済面では変化はあったのでしょうか。

B-6月はじめの定例閣議の報道では、経済建直しをめざした11号政府決議が次第に浸透してきたと伝えられています。かなり思い切った通貨引き締めの効果で、外貨レートや金市場の安定が増したということですし、中銀の外貨予備も増大しました。工業生産や輸出も好調のようですし、銀行信用も抑制されています。加えて、綱渡りのような操業をしていた電力供給も、5月の降雨量が多かったので、当分停電の心配はなさそうです。

A-それは結構な話ではありませんか。

B-何もかもいいことばかりではありません。5月に限れば貿易収支は赤字が増え、入超は輸出額の20%を超えました。消費者物価指数は2.2%の上昇で、4月の上昇より低くはなりましたが、依然としてインフレは高水準です。物価上昇がやや鈍化したかとの期待も出ていますが、なにしろ上昇率は2桁に乗ってしまいました。

A-なかなか政府の努力も一度に効果をあげるところには行かないわけですね。ただ、輸入抑制や消費市場の管理強化などが粘り強く行われ、外貨市場が安定すれば、インフレの鈍化も本格化するでしょう。ところでそれとは別の問題で、気がかりな事態が続いているようですね。

B-南シナ海での中国艦艇との対立問題ですね。ベトナムの調査船に中国船が干渉したのは6月はじめのことですが、それ以後も両国外務省同士の非難合戦は衰えを見せません。両国とも海軍艦艇の演習実施を公表しているので、事態が平穏化するには時間がかかりそうです。今夏後に首脳会談でも開かれるのではないでしょうか。

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