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2006年6月のベトナム動向

★2006年6月

A-4月下旬の共産党第10回大会に続いて、5月中旬には第9回国会が始まるなど、政治の月となりました。少し詳しくその内容を教えてください。

B-第10回党大会のほうは、ドイモイ20年の成果に乗って、平穏な大会になるはずでしたが、直前に運輸省高官の汚職が発覚し、その指導責任をめぐって大開論議も緊張しましたし、国際的にも注目が集まりました。元来、政治報告に汚職撲滅は強調されていたので、特に新たな奉書んは出されませんでしたが、責任追及は国会論議に持ち越されているようです。 指導層の変化としては、カイ首相、ルオン国家主席、アン国会議長が中央委員から退き、今国会またはこれに続く会期での交代が具体化するでしょう。大きな方針としては、5ヵ年計画の目標は動かず、引き続くドイモイ高度成長路線が定着するでしょうね。

A-汚職問題で世界にはややトゲトゲしい空気がありましたが、5月中旬に対米WTO加盟交渉が原則合意に至ったというニュースで、明るい空気が出てきたようです。

B-確かにそんな感じがするのですが、まだこれは正式合意ではなく、詰めなければならない問題もありますし、何よりアメリカ議会の承認が必要なので、大喜びにはもう暫くかかるようです。

A-それでもどうやら11月に予定されるハノイでのAPEC首脳会議までのWTO加盟はほぼ確実になりました。ここに来て、アメリカの対越投資も次第に活発化しています。

B-その象徴的な事件として、マイクロソフト社のビル.ゲイツ会長のハノイ訪問があります。 たった1日の滞在でしたが、国家主席、首脳との会談をはじめ、学生との対話、脳門インタネットへの立会いなど、サービスに努めた訪問でしたね。

A-たしかにベトナムのIT産業の発展は目を見張るような速さで進んでおり、先月ハノイを訪ねた竹中総務相も協力を約束しました。この調子で今後の5ヵ年計画も進歩すれば良いのですが。

B-WTO加盟もそうですが、今のところは発展の条件が整ってきたというだけで、発展が約束されたというわけではありません。現に、このほど決定されたガソリン値上げは国際的な石油急騰を直ちに反映していますし、EUのダンピング判定で履き物輸出の低落が心配されています。

A-国際経済への統合というのは、明るい面だけではないということですね。

B-共産党も政府もともに国際的な試練ということ協調しています。波風を乗り越える決意と奮闘威力が求められているということでしょう。

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