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2007年1月のベトナム動向

★2007年1月

A-明けましておめでとうございます。年の初めにあたって、向こう1年の見通しも含めながら、最近のベトナムの動きをお話しください。

B-おめでとうございます。昨年のベトナムは波乱に満ちた日を送りましたが、年末はさすがに11月のような政治的大ニュースはありませんでした。もっとも予算が確定したことで、各お役所は新年度の事業計画を具体化するのに忙しいと思われます。

A-今年はテト(旧正月)が2月中旬になるだけに、1月は結構働かなければならなくなるでしょうね。

B-今年の見通しですが、いよいよWTO加盟が実現したとあって、その影響が各方面で顕在化するでしょう。このことは昨年初めから政府当局が口を酸っぱくして繰り返してきたことですが、先の国会への政府報告でズン首相が重点施策の2番目に農業振興をあげたことが注目されます。先進国からの工業製品もさることながら、周辺国からの農産物流入が増えたことに、政府も驚いたのでしょう。

A-確かにメコンデルタにカンボジアからの輸出農産物が増大して、現地では大ニュースになっていました。

B-農業振興策には特に目新しいものはないと思われますが、その財源に国家予算を投入するという言葉が目立ちました。

A-工業化、現代化を懸命に推進するベトナムが時には先進国並の農業保護を考えなければならないということですね。

B-WTO加盟の影響といっても、思いがけないところに出て来ることもあるのですね。だからこの1年は、政府としても緊張して経済の行方を見守る必要がありそうです。しかも、厳しい国際競争は決して海外だけで展開されるのではなく、国内に乗り込んでくる外国企業との競争も激化することでしょう。

A-そうなると、外国の安い商品が店頭に溢れるのが、大きく見ればベトナムにとって不利益をもたらすこともあります。

B-この大波を乗り切らなければ、本当の意味で工業国にはなれないわけで、国の指導者にとっては、この1年はかなり舵取りが難しい年になるでしょう。

A―そうなると、消費者にとっても安い商品が店頭にあふれてくるのを歓迎ばかりしてもいられないことになります。

B-消費者物価といえば、さすがに年末に近くなってやや上向きが強くなってきました。それでも11月は0.6%のアップで、どうやら年間7%あまりの上昇率に落ち着くという見方があります。経済成長率を下回るという目標が実現しそうで、これはこれで結構なことですが、テト景気だけでなく、穏やかな生活の1年になってほしいですね。

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