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2006年9月のベトナム動向

★2006年9月

A-ベトナム政府は7月に交代した新旧閣僚の引継ぎを済ませ、8月は忙しく動くより、ほっと一息というところだったのでしょうか、

B-いやなかなかどうして。グエン・タン・ズン首相は7月末の閣議で、直ちに5ヵ年計画具体化の行動計画を作成するよう各閣僚に要請し、8月7日には全ての国家機構責任者と国有大企業のグループトップにも、年末までの経済社会実績を高める手段を講じるよう督促しました。

A-国有企業とはいいながら、首相が経営トップにまで奮起を促すのは珍しいことですね。

B-これは首相指示の形を取っていますが、その内容は21項目に及び、一般的な任務だけでなく担当分野の活動総括、障害の突破口、建設投資、税制改革、輸出入の促進、WTO加盟後準備など、多岐にわたる詳細なものです。

A-ズン首相も、就任直後にまずまずの成果を得なければと懸命になっているわけですね。

B-首相の面子ということでなくても、9月を終われば今年も第3四半期を過ぎるのですから、低迷から脱しようと焦るのは当然と言えますね。

A―ところで汚職問題は、その後解明が進んでいるのでしょうか。

B-いや、あまり目立った発表はありません。しかし、ベトナム共産党は7月末に第3回中央委員会を開き、中央委員会、政治局、書記局など中枢部門の業務規程を決定するとともに、汚職追放に党の指導性を発揮する決議を採択しました。各業務規程も、汚職追放が強烈な問題意識になっていると思われますね。

A-少々息苦しい一月のようですが、明るい話題はないのですか。

B-これはベトナム国内のことではないのですが、アメリカ上院の財政委員会で、ベトナムにPNTR(恒久的最恵国待遇)を付与する議案が反対ゼロで可決されました。 これから上下両院の本会議での承認がありますが、WTO加盟の流れは順調に進んでいます。

A-加盟実現は結構ですが、その後に強烈な国際競争が待ちうけています。 そのほか、今秋に目立った動きは予想されますか。

B-少々気がかりなのは、物価の動きです。ガソリン値上げが次第に経済全体を脅かし、例えば漁船が燃料高騰で出漁できないなどの報道があります。 また、かなり長期にわたって安定していたドンードル交換レートが、ドルの上昇傾向を見せるなど、不気味な動きが見逃せませんね。

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