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2.152021
2021年2月 活動報告
▼ 2021年 2月 活動報告 -理事長 森正暁 -
11都府県で緊急事態宣言が再発出され、依然として新型コロナウィルス感染拡大の収束が見えない状況ですが、会員の皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
ベトナムにおいては、1月25日現在、54日間、新たな感染者は確認されておらず、ベトナム政府の対策が一定の効果を上げていると言えます。ベトナム政府の対応について、経済アナリストの梅澤利文氏(ピクテ投信投資顧問株式会社投資戦略部ストラテジスト)の記事がありましたので、ご紹介させていただきます。
「何故、ベトナムは感染者が少なかったのか」
ベトナム政府の新型コロナウイルス対策の特色は、対応の早さ、選別的な検査、情報開示とデジタル活用などがあると指摘されています。
対応の早さについては、中国が一昨年末に世界保健機関(WHO)に新種のウイルスを報告したことを受け、昨年1月21日には、ベトナム保健省が感染防止と検疫ガイダンスを公表しています。そして、1月末には、組織横断的な感染対応体制を整えています。日本でのダイヤモンドプリンセス号の集団発生や、欧州での感染拡大の前の段階です。
次に検査体制についてです。ベトナムにおけるPCR検査数は35万件程度であり、人口比で考えれば決して多くはありません。しかしながら、検査は疑いの強いケースなど選別的に行った模様で、違いはありますが、日本の手法に近いのかもしれません。
さらに、もっとも注目されるのが、情報開示とデジタルの活用です。少ない検査総数で効率よく感染者を特定できた背景には、情報開示があるとも指摘されています。現地の報告などを見ると、ベトナム保険省の依頼で作成されたウェブページには、感染者リストが開示され、個人は特定できない工夫がされながらも、年齢や性別、感染場所などがわかる仕組みが提供されています。ウェブページを見て、思いあたる人が検査を受ける流れが出来たようです。また、スマートフォンのアプリで感染リスクを判定する仕組みも提供されています。
そして、情報開示を徹底し、疑わしい人を特定した後に、隔離のための施設も用意されました。そのために既存の病院に加え、軍の施設なども活用していたと報道されています。早めの対応、組織横断的な体制、情報開示とデジタル活用などがベトナムの感染拡大抑制に寄与したと考えています。
2月中旬以降、日本においてもワクチンの接種が開始される見込みです。収束する日を期待しつつ、会員皆様のご健勝を祈念申し上げます。