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7.222014
2014年7月のベトナムの動向
★2014年7月
-A-
5月下旬から第7回ベトナム国会が開かれ、順調に国会審議が進んでいるのかと思っていた矢先、5月中旬から俄かに南シナ海で中国が石油掘削装置をベトナムの排他的経済水域に持ち込むという騒ぎがあり、この事件の報道で国会の動きが霞んでしまったような印象があります。
-B-
そうです。ベトナムにすれば自国の海域で何と勝手な動きと受け取りますし、中国はここは自国の領海だと澄ましこんでいます。例の核心的利益維持のためという主張で、南シナ海の大部分の領有を宣言しているわけです。この流れの中で反中デモが発生し、死傷者まで出ましたが、ベトナム政府は直ちにこの動きを封じ、被害企業への支援措置を打ち出しました。今のところは国内的には反中感情があっても市街の動きは平静になっています。
-A-
中国はベトナムにとって経済関係が大きな比重を占めていますから、その面への影響が心配ですね
。
-B-
その通りです。今年の5か月だけでも中国への輸出は61.5億ドル、中国からの輸入は161億ドルに上り
貿易面での依存度は大きいですね。
-A-
海上での紛争はまだ続いており、長期化する見通しですが、国会での審議の模様はいかがですか。
-B-
6月24日に第7回国会は閉幕しました。この間、あまり詳しい報道はありませんでしたが、企業法や公共投資法などの修正法を含む11件の法案が採択され、立法面ではなかなか充実した会期だったと言えます。
-A-
国会終了後になりましたが、上半期の経済実績も公表されたのでしょうね。
-B-
経済成長の面では、第1四半期が5.09%の成長率だったのに対し、第2四半期は5.25%、6か月平均では5.18%と報告されています。なかなか景気の回復が進みませんが、消費者物価指数の面では半年間の上昇はわずか1.38%で、この13年で最低の数値だということです。
-A-
景気回復の遅さという点はあっても、経済実績としてはまずまずの成績だということですね。
-B-
その中でも先ほどの指摘のように、輸出入の中国への依存をどのように克服するかという課題もあります。紛争解決も含めて、早く解決の方向が見えるといいですね。