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10.22012
2012年10月のベトナム動向
★2012年10月
A-いよいよ10月から第4四半期に入ります。現在の経済情勢では、年末までに景気の急上昇があるとも思えないのですが・・。
B-確かに今の沈滞した景気の中で、今年の経済成長が目標通りの6%以上の数値を示すのは難しいと思います。それは担当官庁である計画投資相のブイ・クアン・ビン氏自身が明言しています。上半期を通じても、工業生産指数は4%を超えるのがやっとでしたから。
A-そうするとこの1年は何のための期間だったのでしょう。
B-ビン計画投資相は、国際的な情勢もさることながら、今後の安定した高度成長のために必要な1年だったと言いたかったと思いますよ。なまじ成長の速さだけを追っていると、今年はとてつもないインフレに見舞われたかもしれません。財政政策、通貨政策を通じて強引にインフレをねじ伏せたというのが、第3四半期までの動きではなかったかと思われます。6月、7月の2か月間、消費者物価指数が下降に転じたというのは本当に珍しいことでした。
A-そのように厳しい景気の中で、国有大企業や大手金融機関の経営者に不祥事が摘発されたのは、政府にとっても痛手だったでしょう。
B-ベトナム公安省は9月5日、国営海運総公社(ビナライン)の元会長を公金横領の容疑で逮捕したと発表し、これに先立つ8月下旬には大手商銀のアジアコマーシャルバンクの共同創業者や現役頭取を金融部門での不正取得の疑いで逮捕しています。国家銀行の緊急の現金融資で、同銀行の取り付け騒ぎは収まりましたが、このような経営者の不正行為はやはり次期国会での追及事項になるでしょう。先頃の造船公団(ビナシン)の乱脈経営に続く不祥事です。
A-10月の国会では、低成長の原因究明と高級官吏・経営者の綱紀の緩みが問題になるでしょうね。
B-日本国内では政党代表者の改選と日中関係の緊張で大騒ぎになっていますが、ベトナムでも南シナ海の緊張はやや緩んだとは言いながら、国内の問題続発が世論の注目を浴びています。来月にかけて、日越両国とも政治的緊張が続きそうですね。