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2012年 6月のベトナム動向

★2012年 6月

A-5月21日から第3回国会が始まりました。今度の国会では、どんなところが焦点になるのでしょう。

B-グエン・シン・フン国会議長は開幕演説の中で、昨年度の通年実績と今年4か月の状況、13件に上る法案の制定、経済対策、各報告の吟味の4点を挙げましたが、実際には何と言っても大きく後退、委縮している国内経済をどう救済するかという点が最大の焦点と言えるでしょう。

A-現地の新聞には工業団地のレイオフやホテルの閑古鳥などの記事が続きますが、実情はどうしょう。

B-年初から4か月の統計上の数値は悪くありません。通貨引き締め政策のおかげでドル価は安定し、輸出も前期比20%以上の成績で、物価指数は2か月連続ごく僅かな上昇しか見せていません。ところが引き締め政策のおかげで企業の資金繰りがつまり、倒産企業が大幅増加という状態になりました。前年同期に比べて解散・活動停止の企業は10%近く増えたといいます。

A-それは経済界にとっては耐えきれない事態でしょうね。

B-何と言っても銀行融資に頼れないほど金利が高いという状況があります。年初に14%だった利率は12%程度に下がったと政府は言いますが、世界的な経済減速による輸出市場の縮小を乗り切るための資金繰りに詰まって倒産に至るケースが多いようですね。

A-ホーチミン市選出の国会代表からは恐らく政府の対策が手ぬるいと猛烈な突き上げがあるでしょうね。

B-しかしその声に耳を貸すと、これまで積み上げてきたインフレ制圧方針があいまいになってしまいます。
  ここが政府の踏ん張りどころで、同時に今国会の焦点の随一となることでしょう。

A-そのほかに今度の国会での注目するべきポイントはありますか。

B-13件の法律案の中に海洋法が含まれています。これは南シナ海でのベトナムの領海範囲をかねてからの主張通りに確定しようとするものですが、外国の報道記事は南シナ海の緊張高まると見ているようです。しかし、現状の動きから見て少し気を回しすぎの傾向がありますね。

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