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2011年11月のベトナム動向

★2011年11月

A-10月は政治の月と言われた通り、外交、内政にわたっていろいろな動きがありましたね。

B-まず何と言ってもグエン・フー・チョン書記長の中国訪問です。胡錦涛主席との会談で、南シナ海の領有については交渉による問題解決という方向を確定させました。もう一つはあまり目立ちませんでしたが、チュオン・タン・サン国家主席のインド訪問で、同じく南シナ海での両国の開発について合意を確立しました。これによって今年早くから波乱を呼んでいた海上領有権問題も大きく緊張緩和の方向に動いたといえそうです。

A-いつもながらベトナムの外交活動の巧みさには敬服のほかはありませんが、今後の問題としてはどうでしょう。

B-この問題はフィリピンなどが集団交渉を持ちかけても二国間交渉に限るという中国側の姿勢に跳ね返されていたのですが、ベトナムはそれを飲み込んだうえで緊張を緩和し、しかもサン主席の訪印でアリバイ作りをやってのけたわけです。

A-と言いますと?

B-中国とは二国間交渉の形をとりましたが、ベトナムとしてはインドとともに多国間開発を進めますよと宣言したに等しいですよね。

A-なるほど。しかもその時国内では、ズン首相がドイツのメルケル首相と戦略的パートナーシップを確認しました。さて、国内情勢については如何でしょうか。

B-国内の動きとしては、20日から第2回国会が開かれ、今年度の経済社会計画の遂行状況と来年度の計画目標について論議が続いているところです。問題は混迷を続ける世界の経済情勢の中でベトナムとしては5か年計画に基づく成長ができるのかというところにあるでしょう。グエン・タン・ズン首相は政府報告で、今年度の成長率は6%に届くかどうか、来年度の目標は6%台に設定せざるを得ないのではないかという提起をしました。

A-やはり成長のあり方の抜本変化が必要ということでしょうか。

B-質的な変化の中身に触れる論議がされることと思います。

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