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2010年3月のベトナム動向

★2010年3月

A-2月14日はテト(旧正月)の元旦でした。今年の現地での賑わいは如何だったでしょうか。

B-それは賑やかでしたよ。市民のお金の使い方も随分派手でした。端的にそれを示すのは、ホーチミン市内の各所に設置されているATMが現金切れで引き出せない状態が、例年以上に頻発しました。
1月段階からテト準備の買い物が旺盛になり、大都市のスーパーマーケットでは平常の3割、4割も売上増で、経営者は笑いが止まらない程だったといいます。

A-それは結構でしたが、派手な金使いで例年のことながら消費者物価もかなり上昇したのではないですか。

B-確かにその通りで、1月の物価指数は前月比1.36%と、相当な上昇振りでした。政府としては輸入増を警戒して、事前準備とともに国産品愛用運動もしていたのですが、1月の貿易収支は輸入増加でかなりの赤字となりました。

A-グエン・タン・ズン首相は入超増加を心配して、輸入抑制を呼びかけていましたが、赤字はどれほどの水準だったのでしょう。

B-1月の輸出は49億ドル、輸入は62億ドルで、この結果、赤字は13億ドルにもなりました。輸出額の26%を越えたのですから、首相も渋い顔でしょう。

A-以前なら政府の行政措置でかなり輸入も抑えたでしょうが、WTO加盟後は国際的な約定もあって、あまり強引な措置も取れないですからね。

B-わずかな救いは輸入の相当部分が外資系セクターによるものだったことで、今後このセクターの輸出推進が期待されています。

A-政府としては、今後の重点をどこに置くかということですね。

B-それは何と言ってもまだ国内景気も決して楽観を許さない状況ですから、公共投資の推進が中心になるでしょう。例えば、高速道路計画は各地で早くも着手されているところがあります。

A-すでに今年の予算も決まっていることですから、政府も資金難が心配されませんか。

B-それはその通りで、交通運輸省では新たな工事資金に世界銀行や日本の国際協力機構に借款供与の交渉をしていると聞きます。またこれまでインフラ建設に利用されていたBOT(建設―運営―譲渡)方式がさらに一歩を進めて、PPP方式(官民連携)を本格化するのではないかと予想されています。

A-外国からの借金も、返済が心配です。

B-国会でもその心配はかなり出ていましたからね。

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