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5.12009
2009年5月のベトナム動向
★2009年5月
A-ベトナム政府が今年度の経済成長目標を下方修正する方針を明らかにしましたね。
B-3月末から4月始めにかけての閣議で、第1四半期の成長率が3.1%にとどまり、今後の世界経済情勢、国内情勢も俄かに好転する見込みがないところから、6.5%の目標を5%に引き下げ、また国家予算収支の赤字幅もGDPの5%以内という目標を8%以内というところまで修正することにしました。5月に開会予定の第5回国会に提案して、可決されれば正式の目標修正となります。
A-世界のほとんどの国がGDP成長率をマイナスにしている現状からすれば、無理のないところですが、確かに世界銀行やアジア開発銀行筋でも当初の目標は現実的でないとの声が出ていました。
B-予算収支の赤字幅を拡大したのは、現在の景気回復のための財政出動に関連するものとみられています。かなり広範な企業への低利融資や公共住宅の建設、インフラ建設などの公共投資を活発に進めており、これらの資金支出のためには赤字幅をあらかじめ広げることが必要になったのでしょうね。
A-新たに政府公債の増発を決めたのもこれに関連するのでしょう。それにしてもグエン・タン・ズン首相は就任以来厳しい情勢が続いているのは気の毒です。
B-第1四半期の成長率が3.1%とはいえ、困難な条件の中でよくやっていると言えます。工業生産も輸出もどん底の1月からジリジリと回復しています。世界のどの国でももがいている中で、ベトナムは注目されてもいいと思いますよ。
A-このあとの四半期の実績がどうなるかと言うところですが、いつも問題になる消費者物価指数はどうでしょう。
B-3月の指数は前月比0.17%のマイナスとなり、第1四半期の動きは1.32%のアップにとどまりました。むしろ心配されるのは輸入が低迷していることで、原材料が乏しくなると輸出額が大きい繊維衣料やプラスティック、履物などの輸出に影響が出かねません。
A-この4月始めに全国人口調査が行われ、総人口は000000人に達しましたが、これからも増え続ける国民を養い、生活改善を図らなければならないのですからぜひ経済成長を続けてほしいですね。
B-そのためには、ベトナム自身は当然ながら、世界の主要国がもっとしっかりしなければなりません。ベトナムなどの途上国に市場を開放し、援助を続けることが必要です。4月19日には共産党のノン・ドック・マイン書記長が来日しましたが、ここでも経済連携協定に基づいた経済協力を強めることが話し合われると思います。