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2009年10月のベトナム動向

★2009年10月

A-国際的な経済情勢が回復傾向を見せないので、ベトナムの輸出や外資導入も低迷し、経済成長の牽引力を発揮できていないようですね。

B-外国相手の仕事であれば止むを得ないことですが、8月までの実績によると輸出は前年同期の14%減、外資導入は実に81%減という厳しい数値になっています。しかし、その中で最近目に付くのは、農水産物が着実に実績を伸ばしていることで、国際価格が十分に回復していないので輸出額は大きく伸びませんが、米などは記録的な輸出量になっています。問題は石油で、この市況が低迷していることが全体の輸出額を引き下げているといえます。この実態から、専門家の中では年末に向けて回復基調に乗るのではないかという意見も出るわけです。

A-景気回復は誰もが待ちわびているわけですね。外資導入も落ち込みが激しいですが、国内の生産状況はどうですか。

B-工業生産は着実に前年実績をクリアし、超過しているのが現状です。8月の実績は前月を4.5%伸ばし、前年同期比では10.6%の増加を記録しています。これには政府の景気刺激策、公共投資の集中も力を発揮しているとみられます。

A-そのほかに景気回復を予感させるようなことはありませんか。観光関係などは如何でしょう。

B-統計総局が発表したところでは、8月の外国からの入国者数が7月を大きく上回り、315,000人に達しました。ホーチミン市の高級ホテルでは年末に向けての予約客が次第に増加しています。

A-一般の人たちの生活、つまり消費者物価の動きはどうでしょう。

B-今年春から消費者物価指数はあまり大きな変動がなく、微増を続けています。8月の指数も0.24%程度の上昇にとどまりました。年初からの動きは3.47%で不思議なほど平静を保っています。中央銀行では年初からあれほど大規模な政府の財政出動があったことから、通貨の流通量が増えてインフレの再来という心配がないかどうか心配しているほどです。

A-9月はまた、日本関係のニュースが現地のジャーナリズムを賑わわせました。

B-10月には経済連携協定の具体化で自由貿易合意が発効し、両国間の貿易促進のための関税引き下げが予定されることから、両国の貿易量が増える期待が高まっています。さらに、日本のODAによるホーチミン市の東西高速道路の西側半分開通、ハノイのニャッタン橋の日系企業による建設契約合意など、8月末から新聞紙面を賑わせる動きが多かったです。このような明るい話題で日本の協力の動きがベトナムの人たちに伝わるのは嬉しいことですね。

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