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1.12009
2009年1月のベトナム動向
★2009年1月
A-おめでとうございます。といいたいですが、新しい年のベトナムは、なかなか難しい時期に差し掛かりそうですね。
B-おめでとうございます。新しい年の展望は仰るとおりで、世界のどこの国も、新ねからの経済政策に頭を悩ましていると思います。ベトナムも例外ではありません。
A-昨年11月に国会が終わってから、大きく変わった点はあるでしょうか?
B-夏以来のインフレ抑制対策が一応効果をあげ、10,11月と連続して物価指数が下がりましたが、ここで政府が今大きな努力を集中しているのは景気対策でしょうね。昨年夏以来、世界不況の影響で輸出と観光産業は後退し、経済全体に翳りを及ぼすのを全力あげて押し返そうとしています。
A-具体的にどんな動きが見られますか。
B-大きくいえば、内需拡大に重点を移したということでしょうか。国家銀行は短期間に数回の政策金利引き下げを断行し、企業の資金調達を助けていますし、30%というかなり大幅な企業減税を打ち出しました。ガソリンの相次ぐ値下げもありました。何より、国民の購買力を力づけようという狙いが、どの施策や措置にも見受けられるようです。
A-金融政策の転換は、インフレを再燃させる恐れはないでしょうか。
B-その点では、各商業銀行の不動産融資の状況をずいぶん厳しく抑える指示が、国家銀行からだされました。好況を続ける建設業界で、下手をすると不動産バブルを生じかねませんからね。
A-ところで、毎年12月はじめにはベトナム援助国会議があり、国際支援内容が明らかにされてきましたが、今回の会議はどうだったのでしょうか。 B-これまで最大の援助国だった日本が、ホーチミン市のODAプロジェクト担当機関の高官への贈収賄事件がおこったため、この事件が落着するまで援助を凍結すると発表したので大騒ぎになりました。贈賄した日本のコンサルタント会社幹部はすでに立件され、ベトナム側の収賄幹部も解任、起訴されています。
A-贈収賄や汚職はもちろん厳しく処分されなければなりませんが、これによって今年の援助全体を停止するといわんばかりの姿勢は少し大人気ないですね。
B-ベトナム側の世論もかなり硬化したようです。坂場駐在大使はメディアへの釈明に終われ、これは決して援助停止ではなく、一時凍結だと主張しましたが、庶民の新日感が弱まったのは事実です。日本政府はさすがに慌てて、福田前首相をひそかに特使に仕立て、ズン首相に援助後退のつもりはないと釈明してどうやら決着をつけたようです。