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2008年12月のベトナム動向

★2008年12月

A-11月半ばに第4回国会が終わりましたが、なかなか活発な議論が展開されたようですね。

B-国内的にも世界的にもこれほどの経済後退が突発的に生じたわけですから、2009年度の経済社会発展計画を決める議論が白熱するのも無理はありません。

-この国会では来年度の施政方針にあたる政府報告が論議の中心になったわけですね。

B-グエン・タン・ズン首相は年初以来の高物価、貿易赤字の増大から来るマクロ経済の不安定をどうにか克服する目処がついてきたことを明らかにした後、来年の経済成長目標を7%とする構想を報告の中で発表しました。しかし、国会代表の多くはこの目標が楽観的に過ぎるとして、目標を6.5%に下方修正することを決議したのです。当然、その他の目標も修正されました。

-政府報告が提起した目標が修正されるというのは、これまでにあまり例がありません。

-その通りですが、11月1日の閣議で10ヶ月間の経済実績が検討され、政府自身が修正の必要を認めたことがきっかけになっています。それにしても、成長目標の修正はその他の目標すべてに関連しますから、閣僚への質問が集中し、質問件数は200件を越えたといいます。

-しかし、来年の経済発展の難しさが全国会代表に共有されたのは有益なことです。国際支援機関からも、2009年は成長よりも内需拡大が重要だとアドバイスされていました。

-インフレ抑制という課題は、10月の消費者物価指数が前月比0.19%のマイナスとなり、物価抑制施策の効果が見えてきたようです。しかし、成長の推進役となる輸出はここにきて伸びが鈍ったようですね。

-物価が安定するのは望ましいことですが、景気後退の中では逆にデフレの懸念が出てきます。

-まだ物価もこれまでの急騰分を取り戻すほど値下がりしているわけではありません。それよりも政府の頭を痛めているのは、首都水没といわれるほどハノイを含めたベトナム北部の集中豪雨被害の克服でしょう。

-折から国会開会中だっただけに、ハノイ市内中心部が1メートル以上も浸水したのは強烈な印象を与えました。

-10月末から始まった水害によって、北部から中部北方にかけて広範な地域が被害を受けました。ベトナム赤十字が国際支援を求めるアピールを出しましたが、年末まで被害の克服と経済目標追及に全力を注いでいる政府当局、被災地の住民の健闘を祈りたいと思います。

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