BLOG

2008年1月のベトナム動向

★2008年1月

A-明けましておめでとうございます。今年もよろしく、とは言いながら、今号のひと月は昨年12月のことを言うのですが、かなり衝撃的だったのは11月のベトナムの物価指数の動きでした。

B-おめでとうございます。確かに昨年12月はじめに、11月度の前月比物価指数が公表され、一ヶ月のうちに指数が1.23%も上昇して累計9.45%となり、社会を驚かせました。政府はそれまで、物価指数上昇を経済成長率以下にとどめる目標を懸命に追及していましたからね。これでは物価指数を成長率以下に抑えるのは無理と言うことになりました。

A-いったいどうしてこんな事になったのでしょうか。

B-財務省が10月22日に石油燃料の一斉値上げを決定したことが引き金になりました。ベトナム政府としても、石油の国際市況が1バレル100ドルに至る状態では、政府施策としてガソリンなどの価格を抑制するのは限界にきたと判断したのでしょう。辛い決断だったと思います。

A-現段階ではまだ12月度の指数、つまりは年間の物価指数の上昇率は公表されていませんが、2桁に至ると見る向きも多いようです。

B-当然、ガソリン値上げはほとんどの他の商品にも連動しまし、また1月1日からは最低賃金も引き上げられます。だから、進出企業にとってもコストアップは避けられないでしょう。ただ、この値上がり騒ぎはベトナムに限らず、日本でも問題になっているではありませんか。

A-このような動きを除けば、昨年のベトナムは順調な流れに乗っていたと言えるのではありませんか。

B-昨年11月末の閣議では、外資誘致が記録的な水準に達したこと、公共事業も年末に近づいて急速にテンポを上げたこと、輸出もかなりの好調を保っていることなどが明らかにされました。ただ、大きな痛手として中部各省の一ヶ月以上にわたる大水害がありました。

A-中部の水害は、これまで記録的といわれた1999年を上回る被害をもたらしたと言われます。現在、官民挙げての復旧の努力が進んでいるようですが。

B-しかし、この痛手にも屈せず、ベトナムは2007年度の成長目標を達成するでしょう。そして、今年は「開発途上国からの脱皮」という勇壮な成長目標を国会決議として打ち出しています。

A-新年にあたってこの1年のベトナム経済の発展は明るいということですか。

B-そうです。昨年急増した外国直接投資が効果を発揮するでしょう。日本との関係でも、カントー大橋の事故を乗り越えて、チェット国家主席の訪日の成果が具体化すると考えられます。

関連記事

ページ上部へ戻る