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2007年7月のベトナム動向

★2007年7月

A-このところベトナムの新聞各紙は政界トップの外遊記事でにぎわっていますね。

B-5月末から6月はじめにかけては、共産党のニン・ドック・マイン書記長の中南米諸国訪問、6月下旬にはグエン・ミン・チエット国家主席のアメリカ訪問と続きましたからね。

A-特にチエット主席の訪米は、ブッシュ大統領との会談をはじめ、政界、財界の首脳との会談でなかなかの成果を上げたようです。

B-マイン書記長も、チリ、ブラジル、ベネズエラ、キューバと、これまであまり触れ合いのなかった南米諸国に首脳外交の楔を打ち込み、キューバではカストロ議長と久しぶりの親密な関係を築きました。チエット主席の方は、ブッシュ大統領との会談の中で、越米関係のいっそうの強化が両国のみならず東南アジアの平和と安定にとっても重要だという認識で一致しました。またブッシュ大統領から枯葉剤被害の克服に対する援助支出が米国会の承認を得たことも伝えられました。

A-一方、国内ではグエン・タン・ズン首相が奮闘を続けています。6月はじめの閣議の内容を見ても、今年の経済―社会発展計画遂行のために、政府部内を叱咤激励しています。

B-上半期のGDP成長実績は目標通りの成果を得るところまで行きませんでした。 年間8.5%の目標に対して8%弱といったところで、目標達成のためには下半期に9%の高成長を遂げなければなりません。しかも、鳥インフルエンザはなかなか完全制圧に至らず、消費者物価指数は上昇の気配が衰えません。

A-ズン首相が苛立つのも無理はありませんね。悪くすると、全体としての経済成長にマイナスの影響をもたらすような問題ですから。

Bー鳥インフルエンザは先頃のような広範囲の蔓延は見られないのですが、人への感染が発見されたのが問題です。今のところ 全国への広がりではなく、北部の一部地域での発生ですが、改めて地続きの隣国があるのも厄介だと思います。一国だけの努力で根絶できないということですから。

A-消費者物価の方はいかがでしょう。やはり国際的な石油価格の上昇がこたえているのでしょうか。

B-その通りです。これはベトナムだけでなく、日本でも見られることで、国際的な交通輸送コストの上昇は消費物資だけでなく、飛行機や船舶の輸送コストにも直結しますし、全般に商品生産のコストを引き上げることになります。ベトナム商工会議所のファム・チ・ランさんが心配していたように、これこそ今年のベトナム経済に最も重い足かせになりそうな気配です。早く安定してくれないものかと思いますね。

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