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11.12007
2007年11月のベトナム動向
★2007年11月
A-いやあ、驚きましたね。10月下旬の国会開会まで、あまり大きなニュースはないと思っていたのに、メコンデルタのカントー大橋架橋現場で130人以上の死傷者を出す大惨事が起こるとはね。
B-それも日本のODA援助で進められていた工事ですからね。しかも工事を受注していたのは、大成建設―鹿島―新日鉄エンジニアリングという日本のトップ企業の事業共同体です。グエン・タン・ズン首相は事故の原因と関係者の責任が明確になるまで工事再開はないと断言しました。
A-福田首相も特使を派遣しえ遺憾の意を伝えましたが、一般市民の中には全国的な注目の工事だっただけに興奮の色が濃いようです。
B-ベトナム領内のメコン川にはこれまで橋がなく、近年オーストラリアの援助で2大支流のティエンにはミートアン大橋が架けられ、カントー大橋が出来れば南部の発展に大きな変化が起こると期待されていた。それだけに、この事故で日本に対するイメージダウンが生じているのは残念です。
A-早く橋が立派に完成して現地の人たちの期待にこたえることを祈りたいものです。ところで、22日から始まった第2回国会では、早速ズン首相の政府報告が行われましたね。
B-予想とおり強気の構えで、来年度の経済成長目標を8.5-9%に置くということです。今年もまだ第4四半期を残しているのですが、かなり厳しいとされる成長も目標の追及も、十分達成可能と強調しました。今年はじめのWTO加盟という好条件を、経済発展にフルに生かそうというわけですね。
A-それは結構ですが、第3四半期を終えた段階で、消費者物価指数が7.3%というレベルに達しています。8.5%の成長目標が達成されても、消費者物価指数がこれを上回る可能性がありますね。
B-とにかく年末までのベトナムの経済事情には目が離せないということですね。
A-明るいニュースとしては、ベトナムの国連安保理非常任理事国就任が決定しました。
B-投票総数の95%以上の賛成票と得ての就任ですから、これまでのベトナムの外交努力が如何に大きかったということが判りました。これとほぼ同じ日に、ノン・ドック。マイン書記長が北朝鮮を訪問しました。
A-来年はこのような外交努力が実ることを祈りたいと思います。
B-しかし、何もかも順調とは行かないもので、10月はじめの台風5号の来襲では60人以上が亡くなりました。この国の厳しさに耐えての発展ですね。