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2006年10月のベトナム動向

★2006年10月

A-11月のAPEC首脳会議が近づき、ハノイを中心に大きな会議が連続しているようですね。

B-ハノイだけでなく、会議場はダナン、ホイアンにまで及び、ハノイでの財務関係閣僚会議をはじめ、中部では各国の外務、貿易、公安関係省庁の局長級高官会議(SOMⅢ)が、部門別に分かれて食品衛生、電子取引、テロ対策などの問題に取り組みました。ここでの討論と経験交流は加盟各国にとってそれぞれ貴重な機会になったと思われます。

A-このような努力の積み上げが11月の首脳会議に生かされるわけですね。ベトナム自身にとっても重要な外交経験になったと思われます。 ところで、首脳会議に前後して、秋のベトナム国会が行われるはずですね。

B-まだ詳しい日程が公表されていませんが、ちょうど時期を同じくして国会が開催されます。 今度の国会では、来年度の経済成長目標などの決定も予定されています。

A-そうすると、ベトナム政府としてはもう国会への政府報告も準備されていると思われますが・・。

B-グエン・タン・ズン首相は8月末の閣議で、来年度の成長目標を8-8.2%に置くことを提起しました。 今年度はやや低迷したのでその回復を期しています。

A-ズン首相はフィンランドのヘルシンキで行われたASEM6、アジア・ヨーロッパ首脳会議に出席するなど、忙しい日程に追われていますが、このところ、国内の経済実績はあまり思わしくないようですね。

B-やはり農業関係の実績が伸びなかったのが主要な原因で、工業生産や輸出は好調と伝えられますが、全般に石油価格の上昇が経済全体の足を引っ張る結果になっているようです。 ズン首相は諦めるのは早いと檄を飛ばしていますが、もう9月が過ぎて第4四半期に入るわけですから、来年の飛躍を期しているというところでしょうか。

A-気鋭のズン首相にとっては、今年は不本意な結果に終わるかもしれませんが、試練をバネに頑張ることでしょう。もう一つのこる国内問題は、汚職追放の課題ですね。

B―これは発覚した運輸省汚職の解明だけでなく、より腰を据えた取り組みになるようです。 国会常務委員会は8月末の会議で、汚職防止中央指導委員会の活動規程を決議として採択しました。その陣容は、首相をトップに、関連国家機構の中枢指導者が委員を務めるようで、全国の汚職を大小問わず根絶しようという意気込みが感じられます。幅広く息の長い活動で成果を上げて欲しいものです。

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