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2009年3月のベトナム動向

★2009年3月

A-1月下旬にテト休暇が終わり、春が近いはずなのですが、ベトナムの現状はいかがでしょうか。

B-世界のどの国も似たようなものでしょうが、ベトナムも1月の経済状況は冷え切っています。経済成長の柱になる工業生産、輸出、外資誘致は、どれも昨年同月の実績を割り込む有様で、春は当分訪れそうにもありません。

-確かにどこの国でも困難な経済状態は変わらないでしょうが、同時にどの国の政府もこれを打開するための努力を続けていると思われます。

B-ベトナムでも同様です、今、目立っているのは金融緩和で、中央銀行は、これで何次になるのか、基準金利の引き下げを続けています。それだけでは効果が上がらないので、17兆ドン規模の財政出動を行い、利率補填とともに公共投資の前倒し、輸出入税の引き下げ、貧困家庭への援助金給付などの緊急施策が進められています。

-経済施策というのはなかなか即効的な結果が出難いもので、政府もたいへんだと思いますが、一般市民の生活はいかがなのでしょうか。 -1月の消費者物価指数は前月比0.32%の上昇となりました。下旬にテトを迎えたので、テト必需品ともいえる食料品、嗜好品が若干値上がりしました。テトを抱えた月の値上がりとしては異例の低さですが、それでも担当政府部門の努力で品物の出回りもよく、まず例年並の賑やかさだったといえるでしょう。この状態が現在の経済市況を表していると言えるでしょうね。

-つまり、相当の下支えをしないと経済が回っていかないのでしょうね。先行きが読めないと明るい話題も出てこないでしょう。

-意外なことに、明るい話題は日本関係のニュースです。2月上旬には皇太子殿下の公式訪問があり、それとほぼ同時期に凍結されていた日本政府のODA再開が近いとの情報が伝えられました。さらには、日本が援助を公約している南北高速鉄道プランの検討が始まり、ハノイとホーチミン市を6時間程度で結ぶという夢の超特急が具体化しはじめました。

-このような巨大プロジェクトなら、建設資金も数十億ドルに上るでしょう。完成までに長期間かかっても、それまででもその経済効果は大きいでしょうね。

-そもそもはホーチミン市の高速道路建設に絡んでODA凍結のきっかけとなった贈収賄事件も、収賄の主人公と言うべきホーチミン市の高官が2月はじめに逮捕され、ODA凍結解除が間近かに迫ったところです。ホーチミン市内でも間もなく建設の槌音が再開されるでしょう。

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