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2015年9月のベトナムの動向

★2015年9月

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何とも厳しい暑さでしたが、日本ではようやく峠を越した気配があります、ベトナムでは如何ですか。

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ベトナムではこの暑さによる干害と台風などによる水害などの天災被害で、今年上半期の農業生産は厳しい打撃を受けました。上半期の農業セクターの生産実績は、前年同期が3%台を確保したのに、今年は2.6%前後という有様です。

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それは全国的にですか。それとも限られた地方ですか。

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干害は中部がひどかったようですが、台風などによる水害は北部のベトバック地方がかなりやられたようですね。同時にこの天災は、全国の輸出活動にも足を引っ張る要素となって、上半期の貿易収支は3年ぶりに半期実績が入超という結果になりました。収支結果は30億ドル台の赤字で、これも3年ぶりの結果だったと言われています。

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そうすると今年の下半期には輸出振興というのが政府の方針の目玉となりそうですね。

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確かのその通りで、まずベトナム国家銀行では国内通貨ドンの対ドルレート切り下げを断行しました。

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コメの輸出も激しい競争に晒されていますから、ドン安への一石を打って市場環境を良くしようというところですね。

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そのほか、EUとの自由貿易交渉も妥結に至ったようですので、後は国内の踏ん張りで、アメリカに次ぐ大市場のEUに輸出振興の期待を懸けているわけです。しかし国内でも来年の賃金引き上げを巡っては、労使の意見がなかなか一致せず、交渉が難航していると聞いています。

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7月の消費者物価指数(CPI)は大きな動きはありませんか。

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7月の物価指数は前年末比で0.68%の上昇にとどまり、過去13年で最低を記録しました。最近の消費市場では大きな値動きが非常に少なくなっています。物価の安定が経済の安定に資するところは大きいですね。

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8月に入ってまたもやガソリンの値下げが行われていますね。

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8月下旬から㍑当たり768ドン値下げと言われています。市民にとっては有難いのですが、国とすれば一応産油国ですから有難い一方というわけにも行きませんね。

 

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