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5.72012
2012年 5月 活動報告
▼ 2012年 5月 活動報告 -理事長 森正暁 -
桜前線が津軽海峡を越え、晩春の空から初夏の空へと変わってきたのが目に付くようになりました。町をゆく人も活発な様子がうかがえます。年中で最も良い季節で、経済情勢にも同じような活気がほしいものです。
さてベトナム現地では今月下旬には国会が開かれる予定で、向こう1年の施政方針が論議されることになるでしょう。そんな時に、「おや」と驚いたのはこのほど発表された3月までの第1四半期の経済実績です。3か月間のGDP成長率は4%。この3年間で最も低い数値です。工業生産指数もいつもなら2桁の成績が出るのですが、これも4.1%という実績です。
確かに、この四半期でよく聞いたベトナム経済界の声は、資金切れということでした。金融引き締めによってインフレ傾向を制圧しようとの経済政策は、企業の生産活動の活気を失わせたかもしれません。
しかし、全般的な不景気かといえば、輸出は好調で、外貨予備も昨年の倍に達したということです。3月の閣議でも、首相は落ち着いています。
今年の重点施策として、経済の質、経済成長の質的転換が強調されましたが、今がいわゆる経済再構築の真っ最中ということでしょうか。従来の国内経済の弱点を克服する好機となったのかもしれません。それでも合理的な経済成長は必要とされてきたので、ベトナム政府もやや手綱を緩め、2回にわたって金利引き下げを敢行しました。今月下旬には国会開会と申し上げましたが、来月号には政府の考え、首相の政府報告をお知らせできると思います。
始めにも申し上げた通り、風薫る5月です。ベトナム政府がどのような方針を打ち出すか。爽やかな印象を与えてくれることになるのを期待して、ハノイからの報道を待ちたいと思います。