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2011年 4月のベトナム動向

★2011年 4月

A-今度の日本の大災害は、ベトナム現地ではどのように受け止められていますか。

B-元来親日的なお国柄ですから顔見知りのベトナム人はすべて心配だろうと声をかけてくれます。グエン・タン・ズン首相も日本大使館を訪れて弔意を表し、いつでも緊急医療チームを派遣する考えです。

A-ところで今月下旬には国会が開会されましたね。

B-これは今年5月には国会代表選挙が行われ、そのあと国家主席や国会長、首相ら国の指導部の改選があるためで、会期も10日程度と短いです。いわば第12期の最後の会期で、現在の任期の総括が主な目的です。

A-それでも会期中には現在の物価高騰について若干の議論があったではありませんか。

B-確かに2月の消費者物価指数は前月比2.09%の上昇で、年初からの上昇は3.78%に及びました。さらにその後、国内通貨ドンの切り下げ、ガソリン、電気料金の引き上げなど、物価上昇を加速するような動きがあります。鉄道運賃や輸送料金も上昇の気配です。

A-それでは今後、見通しはどうなるのでしょう。

B-政府も閣議でインフレ抑制が当面の中心任務と位置付けて、細かな金融措置を進めながら個々の商品価格の引き下げに懸命ですが、元来物価騰貴の原因が海外の市況の高止まりにあるだけに、いつ、どのような経過で物価が落ち着くかは、ちょっと明言しにくいのではないでしょうか。

A-それでは経済のあり方に深刻な影響を及ぼします。

B-いや。国内経済の動きは妙に好調なのです。工業生産、輸出とも昨年同期を大きく上回り、その他観光面ではこの2ヶ月間の外国からの入国者数も前年比で20%近い増加ぶりです。米もコーヒーも価格は上昇気味です。

A-これまでの常識では見当がつきませんね。

B-それでも3月までの第1四半期をピークに物価が安定に転じ、バランスのとれた農業、工業、サービス部門の前進と輸出の伸びが入超の増大を押しとどめれば、今期の経済成長の展望を切り開くことができます。その成功を心から祈りたいところですね。

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