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2.52010
2010年2月のベトナム動向
★2010年2月
A-年が明けて、昨年1年間の経済成長実績が発表される時期になりました。昨2009年の実績は如何だったのでしょう。
B-世界的な不況によって経済成長がマイナスに終わっている国も多い中で、成長率は5.32%、物価上昇率は7%を下回る6.88%と速報されています。
なにしろ年が終わったばかりで綿密な集計も時間的にムリな段階ですから、今後詳しい実績数値が示されるでしょうが、成長率のような重要指標は動かないでしょう。不況乗り切りと生活安定の双方を実現したのは、評価されていいと思います。
A-世界を相手にした輸出入、外国資本誘致などの面では、思うような成果は出なかったでしょうね。
B-前年比でいいますと、輸出は9.5%マイナス、輸入は14.9%のマイナスということで、輸出入ともに前年割れに終わったのは珍しいことです。外国直接投資の面では、200億ドルの誘致目標に対して214.8億ドルの実績を収めました。
貿易収支の実績は今申し上げたとおりですが、この結果、貿易赤字は輸出総額の21.2%にまで増えています。さすがにグエン・タン・ズン首相は何としても赤字を輸出額の20%以下に抑えるよう、工商省などに指示しています。
A-困難な状況はなお続くでしょうが、問題は今年はどうかということですね。
B-新年冒頭の閣議で、当面の重点はマクロ経済の安定とインフレの阻止にあるとともに追求するのは至難の業で、ベトナム国内の経済学者も、物価水準は昨年を上回ると予測する人が少なくないようです。
A-さて、一般庶民の生活実態はどうなっているかというのも、重視するべき側面だと思われます。
B-消費者物価指数だけでは、市民の台所に活気があるかどうかは分かりませんからね。労働省が昨年秋に実施した賃金実態調査では、やはりこの面でも格差が広がっているようで、航空、石油関係の賃金は繊維衣料業界の数倍に達しているそうです。それでも年頭から全国の最低賃金が15%程度上がりますから、ちょっと一息つけるところでしょう。
A-そういえば、テト(旧正月)を控えて都市部の小売店は大きく売上を伸ばしているそうで、市民生活は案外明るいと聞きます。
B-航空運賃が実質値上げになっても、飛行機で帰郷しようという人は例年と変わらずだと報道されています。昨年も、外国観光客は減少したが国内観光は移動する人も観光売上もプラスだったと伝えられました。今年のテトも賑やかであってほしいですね。