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2010年9月のベトナム動向

★2010年9月

A-日本は8月中、大変な猛暑に襲われましたが、ベトナムは意外に涼しかったようですね。

B-ハノイなどでは半そで、半ズボンのパジャマでは、夜に肌寒さを感じるときもあったと聞きます。これまでのところ、全国的に大きな風水害などの天災がなく、渇水で電力供給に不安があるほかは切迫した問題もなさそうです。

A-それは結構なことですが、政治経済面の動きはいかがですか。

B-8月はじめの閣議では、農業、工業、サービスの3部門とも好調で、もちろんグエン・タン・ズン首相は楽観的な傾向に陥ってはならないと強く釘をさしていますが、輸出も伸びは鈍いものの、貿易赤字はやっと輸出額の20%を切りました。首相の留意点は、貿易赤字の大きさ、消費者物価の先行き、銀行の融資利率の不安定と言ったところでしょうか。

A-なるほど。しかし消費者物価は4月以降、次第に落ち着いているのではありませんか。

B-そのとおりです。7月の物価指数は前月比0.06%の上昇にとどまり、昨年末以来の動きは4.84%のアップというところです。ズン首相はそれでも物価の先行きに配慮し、値上げやむなしという石炭価格も、電力料金に繋がる発電用に限って据え置きとしているほどです。

A-ところで、キナ臭い話では、ベトナム造船公団(ビナシン)の乱脈経営で、取締役会長、つまり経営トップが逮捕されたというニュースがありました。

B-ビナシン会長は党の監査を経て現在は司直の手による取調べを受けているはずです。政府部内でも指導監督責任の問題は別として、公団自体は経営規模を引き締め、本業に専念させつつ、余裕のある国有企業の手を借りて子会社の整理統合を進める考えのようです。

A-ひとつの産業部門にわたる問題だけに、今後も後を引きそうですね。明るい話題の方はいかがでしょう。

B-8月冒頭に、ブラジルで開催されていたユネスコの文化遺産に関する国際委員会で、ハノイのタンロン城遺跡が世界歴史遺産として認定されました。著名な歴史学者のファン・フィ・レ教授は、遺跡の規模が比較的小さいことから、世界遺産として認定されたのは意外だと言っていますが、このニュースにハノイ市民は大喜びと言ったところです。

A-折から今年はハノイータンロン1000年祭が行われる年です。

B-それだけにタイミングよく世界遺産認定を受けたことの喜びが分かります。ベトナムは今や自然遺産、歴史遺産をあわせて5件の世界遺産を擁することになりました。

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