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2008年9月のベトナム動向

★2008年9月

A-6月段階からベトナム政府のインフレ抑制策が効果を上げ始めましたが、7月のもようは如何だったのでしょう。

B-7月の消費者物価指数は、前月比で1.13%の上昇にとどまり、今年に入っての最低を記録しました。例年なら珍しくないところにまで落ち着いてきたわけです。指数計算の上で大きなウエイトを占める食糧食品類が値上がりの傾向をなくしてきたことが大きな理由ですね。何しろ食糧に限れば、前月に比べて0.37%下落したほどです。もっともこれは輸出税課税などの関係で、米穀業者が買取を手控えたことにもよると言いますが。

-このまま物価が沈静することを祈りたいものですが、どうでしょうか。

B-6月、7月の指数はこれまで暴走してきた動きがやや落ち着いたというところですが、なんと言っても海外の動きが今後どうなるかという点が問題です。

-もうひとつ、貿易赤字の急速な膨張が問題になっていました。これについては幾分改善されたのでしょうか。

-今年はじめの3ヶ月ほどは貿易赤字が輸出総額の60%、70%という状態だったのですが、7月はこれが40%前後という線まで下がってきました。石油の国際市況もこのところやや変動が少ないようで、輸出の伸びに伴って下半期には一層の縮小が期待されます。

-なにしろ上半期の輸入はかなり乱暴な一面もあったようで、前年にはほとんどなかった高級外車が数十台も輸入されたという話を聞いています。今後、輸入管理が厳しさを取り戻せば、貿易赤字の縮小も期待できますね。外国直接投資についてはどうなんでしょう。

-これは今年はじめから好調を続け、7月段階で投資総額が452億ドルに達して、年間目標を突破するという勢いです。 政府としては、登録ベースでこの記録ですが、実施に至らないケースもあると見て、着手が遅れすぎるプロジェクトには承認証取り上げという強硬措置で臨むようですね。投資分野が工業分野からリゾート建設などの観光分野に傾いてきたのがやや気になります。

-このまま安定した経済成長を取り戻せば言うことはないのですが、やはり8月に入って台風が襲い、水害にやられた地方がでましたね。

-8月上旬に中国との国境に近いあたりに台風4号が上陸し、大雨を降らせながら西に進みました。このため、いわゆるベトバックと呼ばれる地方の河川があふれ、ラオカイ、イエンバイなどの省を中心に死者、行方不明100人以上を出す被害を受けています。避暑地のサパにはかなりの外国人観光客もいたはずですが、これらの人は無事だったようです。

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