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8.12008
2008年8月のベトナム動向
★2008年8月
A-7月はじめに今年上半6ヶ月の経済実績が発表されました。何か心配されたインフレ気運が改善の兆しを見せたように伝えられています。
B-7月はじめの6月度定例閣議で報告された実績が、早速公表されたのですが、この間のGDP成長率が6.5%、輸出は好調を続ける一方、輸入は漸減して、特に6月度は入超が輸出高の20%台にまで縮小しました。関心の強い消費者物価上昇率は6月に2.14%の上昇となりましたが、これは6ヶ月間の最低の上昇率です。7月冒頭の閣議でも、情勢好転の兆しとして喜ばれています。
A-それは嬉しいニュースですが、後半6ヶ月の展望が気になりますね。
B-その通りです。国際的な経済情勢も決して楽観を許さない状況にありますし、ベトナム国内でもこれから台風シーズンとなります。国土建設の分野でも、これまで大きく上昇した鉄鋼、セメントなどの価格をみて、建設単価が予算をはみ出す状況で、工事の進展が遅れています。こうした点から、後半6ヶ月の経済建設は予断を許さないと考えられます。
A-工事と言えば、昨年9月に起こったメコンデルタ・カントー橋の事故原因が発表され、工事再開が期待されます。
B-事故原因と言ってもまだ純粋に科学的な追及で、これに公安関係の事故責任問題、建設省の設計再審査があって結論が出されるわけで、本格的な工事再開にはまだ少し時間がかかるでしょう。しかし、展望が見えて、再開への要望が強いだけに、間もなく首相の指示が出ると思われます。再開を待つのは日本の業者も同様でしょう。
A-現地の町の声を聞きますと、今年の米の春作が好調で米輸出も再開され、スーパーの経営者も商品価格が落ち着いてきたと語っています。何とか経済情勢が落ち着いてほしいものです。
B-年末のクリスマスに向けて、例年なら次第に物価が強含みになるのが常識ですが、今年は例年の常識が通用しないかもしれません。それに、前半の成長率が6.5%だったということは、後半には7.5%の実績を得なければ目標に達しないということですから、政府もいっそう気合を入れて現行施策を徹底しようとするでしょう。
A-ベトナム共産党も中央委員会を開いて政府施策への徹底協力を明らかにしました。
B-これまで何度も困難な情勢を切り開いてきたベトナムです。今度も過去の経験に学んで、その底力を発揮するのではないでしょうか。